日本人の蕎麦好きはもう遺伝レベル、日本の文化そのもの。 その蕎麦の祖先種を発見したのは同窓生の大西近江(昭37膳卒)さん。


 蕎麦はソバの実を原料とする蕎麦粉を用いて加工した日本の麺類。
 日本には大晦日に縁起をかついで蕎麦を食べる習慣もあります。蕎麦は長く伸ばして細く切って作る食べ物なので、細く長くということから健康長寿、家運長命につながると言います。寿司、天ぷらと並んで、日本料理の代表とも言える食べ物です。蕎麦が日本料理として定着したのは江戸時代と言われています。つゆにどっぷりつけるのは野暮、ほんの少し蕎麦をつけて、一気にすする。それが江戸っ子の粋な食べ方として、落語などのネタにもなっています。

 ソバそのものが日本に入ってきたのは、もっと昔にさかのぼります。どこから入ってきたのでしょうか
 栽培ソバ野生祖先種の探索と野生種分布の調査、ソバ野生祖先種の発見、その分布域の解明により、それまで栽培ソバの起原地がシベリア、中国東北部であるとされてきた定説を100年ぶりにくつがえし、中国雲南省、四川省南西部、東チベットの境界地域が、真の起原地であると明らかにしたのが、膳所高同窓生の大西近江(昭37膳)さんです。
また、未記載の新種を8種も発見して、ソバの遺伝学的解明、系統分類学的解明に結び付けました。ソバの祖先種に近縁の野生種を胚培養すると自家和合性のソバを育成することができるそうで、ソバの新種が生まれるかもしれません。

 大西近江さんは、昭和18年に滋賀県信楽町に生まれ、昭和37年に膳所高を卒業、京都大学農学部農林生物学科卒業後、米国ウィスコンシン大学大学院博士課程修了、京都大学大学院応用生物科学専攻栽培植物起原学分野教授を勤められた植物遺伝学の権威です。
 平成19年の退官後、そば資料館・研究センター副所長など、膳所高の同窓生はいろんな分野で活躍しています。現在は大津市の建部大社の近くにお住まいです。

寄稿 黄瀬 誠幸(きせよしゆき)(昭41膳)