膳所高校卓球同友会30周年記念式典(2017.8.19)報告


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膳所高校卓球同友会創立30周年記念式典の報告

 今、卓球が空前のブームと言われています。ひとつはオリンピックや世界選手権で若い選手たちの活躍があり、もうひとつは卓球が健康を維持するための手頃な運動として人気が高まっているからです。現在、世代を問わず卓球を愛する人たちが増えています。
 私たちは高校時代、そんな卓球に情熱を燃やしてきました。そして卒業後も現役生への支援を目的とする「膳所高校卓球同友会」を1987年に発足させ、以来毎年OBと現役生との交流試合を通じてOB同士の親睦もはかってきました。それから30年が経ちました。まさに“光陰矢の如し”ですね。
 平成29年8月19日、私たちは同友会創立30周年を記念する式典を開催しました。その時の様子をここにお届けします。

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 お盆も過ぎ暑かった夏もいよいよ終わりを告げようとする8月19日、膳所高校卓球班のOBや現役生、そして招待客など55名が記念式典の会場となる雄琴温泉「里山昔話雄山荘」に集った。このホテルのオーナーは卓球班OBの宇都木公一先輩(昭和43年卒)で、今回の式典の開催に向けて様々な協力を頂いた。

 記念式典が始まった。司会は西田毅君(昭和51年卒)と中山郁さん(昭和59年卒)の名コンビ。西田毅君は現在母校のコーチとして女子部員の指導にあたり顧問の先生や生徒たちからの信頼も厚い。また中山郁さんは母校の同窓会事務局の仕事に携わっている才媛だ。開会の挨拶は同友会会長の岡見要先輩(昭和44年卒)。今も現役選手として活躍しこの8月全国教職員65歳以上大会で見事3位に入賞したばかりだ。

 母校の教頭でかつては卓球班の顧問であった松宮恵先生から心温まる祝辞を賜ったあと、人見陽一名誉会長(昭和31年卒)が穏やかな口調で卓球班や同友会の歴史を語られた。そして長年卓球班顧問として厳しくも温かく現役生の指導をされている西村直樹先生から昨今の母校の戦歴、現役生の様子などについて詳しく話を聴いた。

 毎回記念式典には、会場に卓球台を持ち込んでエキシビションマッチを行うことが恒例になっている。今回は元卓球女子日本代表で現在日本生命女子卓球部主将の石垣優香選手を招待した。その上、これはまったくサプライズであったが、昨年まで卓球女子日本代表監督(現在は日本生命女子卓球部総監督)として二度のオリンピックでメダルをもたらした村上恭和氏にも出席して頂き卓球界の現状について語られ、私たちは熱心に耳を傾けた。

 実は、この日の午前中、村上恭和総監督と石垣優香選手が母校の体育館に赴き、現役生たちにプロフェッショナルな指導をして頂いていたのだ。現役生たちの感激もひとしおで、この日学んだことを糧としてこれからの練習や試合に活かしてほしいと願っている。

 エキシビションマッチでは、山元明先輩(昭和31年卒)が石垣優香選手に挑んだ。今も日々欠かさず卓球に親しみ、そのフットワークは全く衰えをしらない山元明先輩であったが、さすがに相手が元日本代表選手となるとそう簡単にはポイントは取れない。それでも齢80にしてこれだけの卓球ができるのかと感動すら覚えた。次に桑門正美先輩(昭和39年卒)が負けじとチャレンジした。強いスマッシュが何本か入るもののほとんど打ち返されている。だが70過ぎとは思えないようなすばやい動きに、会場からも大きな拍手が沸き起こった。最後に、昨年母校を卒業した大学生麻野大造君(平成28年卒)が対戦、実に見ごたえのあるラリー戦を展開し石垣優香選手を本気モードにさせた。しかしながら最後はやはり技術や経験、実績がものを言う。負けそうだけど絶対負けない、このような選手を一流と呼ぶのだろう。何と言ってもサーブが凄い。このサーブの種類や質が私たちの頃の卓球とは明らかに違う。それを間近で観ることができただけでも大きな価値があった。

 そして現役生7人が参戦した。現在滋賀県の高校卓球は男女とも私学がめっぽう強い。膳所高校をはじめ公立高校はなかなか私学には勝てない。しかし卓球は団体戦、個人戦、ダブルスの3つの対戦方法があり、個々の実力を磨くことによって私学の壁を突破することは十分可能だ。そんな可能性を秘めた選手も現役生の中に少なからずいる。同友会もしっかり後押ししていきたい。

 この後乾杯に入る。乾杯の発声は同友会前会長の長田一明先輩(昭和42年卒)。出席者の健勝と同友会の発展と現役生の奮闘を祈って高らかに乾杯。

 先輩、同輩、後輩とビールグラスを重ね、美味しい料理に舌鼓しながらあちらこちらで笑い声が絶えることなく聞こえてくる。この日出席したひとりひとり自己紹介が始まり、最後にマイクを持ったのが今村宏先輩(昭和26年卒)で今年85歳になられる方だ。年を重ねても卓球を続けてきたという情熱はいささかも衰えることはなく、昭和20年代当時の思い出話をゆっくりと噛みしめるような口調で語られた。

 今回「卓球ウルトラクイズ」というイベントを行った。卓球に関する○×クイズを出題し、準備した20点の豪華賞品を競い合った。かなり難しい問題が出されたにも拘わらず最後まで勝ち残ったのは顧問の西村直樹先生。さすが卓球に関して博学だ。

 母校の校歌、そして今年誕生100周年を迎えた母校の第二校歌ともいうべき「琵琶湖周航の歌」を、中山雅文君(昭和59年卒)のリードで出席者全員が合唱した。あっとの言う間の3時間、一次会の最後は同友会前々会長であった西山東済先輩(昭和37年卒)の挨拶で締めくくられた。

一次会の余韻を残しながら二次会へと場を移した。20数名が雄山荘内にあるラウンジ「山ぼうし」の椅子に腰かけ、それぞれの世代で積もる話に興じていた。「先輩たちは何か話足りなかったみたいだったなぁ」「時間があればもっといろんな話が聞けたのにね」という一次会での自己紹介のことが話題になった。

 膳所高校卓球班の黄金期はこれまで2回あったとされてきた。では黄金期とは何か? 『団体戦や個人戦で滋賀県大会を制して全国大会に出るだけの実力のある選手たちが揃っている年代や時期』と定義するならば黄金期は確かに2回ほどあったに違いない。だけど今回先輩たちの話の中で「自分たちの時代も頑張ってそれなりの成績を残してきた」という声が圧倒的に多かった。その言葉を聴き「そうなんや、大会に優勝できなかったけれど、目標のちょっと手前で負けてしまったけど、勝つことはほとんどなかったかもしれないが、その人にとっては自分たちの学年こそがまさに黄金期だったんや。」と思えるようになった。

 長田一明先輩から「卓球班の記録やOBたちの記憶を何とか遺していきたい」という提案があった。人それぞれに“ライフヒストリー”があるように膳所高校卓球班にも戦後から現在に至る“ピンポンヒストリー”がある。「OBの多くは高校時代の資料や写真を少しは持っているだろうし、各年代のOBにインタビューし、それを書き起こし文章にして後世に遺していけばいい。これから卓球班の歴史を編纂する事業もやっていこう」と二次会の席ではこんな話で盛り上がっていった。

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 「膳所高校卓球同友会創立30周年記念式典」に出席された皆さん、お疲れ様でした。そしてありがとうございました。今後とも毎年恒例のOBと現役生との交流会を進めながら、現役生の活躍を大いに期待していきましょう。さらに膳所高校卓球班70年史の編纂に取り組み、東京オリンピックが開催される2020年までに完成させていきたいと考えています。

皆さん、またお会いしましょう。

*文責:姜(姜山)永根(昭和50年卒)