(昭50膳)還暦記念同窓会(2017.6.17~18)報告


還暦記念同窓会

 暦の干支は60年で一周します。生まれてから60歳を迎えたところで一回り。つまり還暦とは生まれた年に戻るということです。私たちはその還暦を記念して6月17日(土曜日)18日(日曜日)の2日間、「還暦記念同窓会」を開催しました。「還暦記念同窓会記」、そして「ぐるっとびわ湖島巡りクルーズの旅行記」を以下に書き綴ります。

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還暦記念同窓会記

 「還暦の同窓会、泊りがけでやりたいね!」「旅行もしたいわ!」「温泉につかりたい!」「演奏会ってどう?」「ゴルフもやらんとな」といろいろな提案があり、「だったら、全部やろうよ」ということになった。クラス幹事たちは6ケ月以上も前からこの同窓会の開催に向け会合を重ね、周到な準備を行ってきた。

 6月17日、会場は雄琴温泉「里山昔話雄山荘」。全国から129名の同窓生が集った。この日は梅雨の季節にも拘わらずとても良い天気になった。雄山荘の受付には懐かし同窓生の姿があり、「ひさしぶりやな」「元気だった」という声があちらこちらから聴こえ、健やかな笑顔が見られた。

 17時半から一次会の宴が始まった。司会は増本俊幸君と奥西(富永)裕子さん。そして開会のあいさつは実行委員長の白川正大君。高校時代サッカーで名を馳せ、今年5月膳所高同窓会総会で私たちの学年の代表として1時間講演したばかりで人前でのあいさつはもう手慣れたもの。
 物故者への黙祷。今年亡くなった同窓生数名を加え、鬼籍に入った同窓生たちの冥福を心から祈った。
さあ乾杯。乾杯の音頭は昨年まで文部科学省に在籍していた久保公人君。ユーモアあふれる乾杯前の言葉に笑みを浮かべながら聞き入っていた。グラスを重ねる音があちらこちらで響き渡る。

 久しぶりに会う旧友たちの表情はとても豊かで明るい。人生の苦難を乗り越え今に至った姿がここにある。

 「酔っぱらう前に演奏を聴こうじゃないか。」と杉原(山元)裕子さんの物静かな篠笛に耳を傾け、上田泰史君のマンドラテノールと小林(清水)初子さんクラリネットのデュエットに心を奮わせる。とても素敵な音の響きに同窓生たちはみんなうっとりしている。

 近江牛が出て来た。美味しい料理に舌鼓しながら会場は笑いが絶えない。クラス別の紹介が始まる。「1組から順番にひとり一言だよ。」そう約束したはずなのに長ったらしい話をする“奴”はどこでもひとりかふたりは必ずいる。
舞台に上がったひとりひとり、みんな本当にいい顔している。

 この日の朝早くからゴルフコンペに参加した同窓生が16名。その表彰式で優勝した服部起久央君がトロフィーを受ける。これから毎年2回ゴルフコンペを行うことになった。

 そして、何といっても一次会の最高の盛り上がりが「よさこい」の踊りだ。「よさこい」とは高知から端を発した踊りを主体とする日本の祭。同窓会開会の前に1時間ほど川崎(和歌山)敦子さんに厳しくもやさしく温かく指導して頂いたおかげで、同窓生20名が音楽に合わせ鳴子を鳴らしながら楽しく愉快によさこい踊りを披露することができた。

 今年は「琵琶湖周航の歌」が作られてちょうど100年になる。母校の第二校歌というべきこの「琵琶湖周航の歌」を肩を組みながら、上田泰史君のマンドラテノールと小林初子さんのクラリネットの伴奏で同窓生全員で大合唱。改めて日本一の湖琵琶湖を有する故郷滋賀のすばらしさを感じ取っている。

 そして高校時代応援団の団長であった山田宗順君のエールで「膳所高校校歌」を再び大合唱。久しぶりに歌う母校の校歌はとても感慨深かった。
 あっという間に時は過ぎていった。一次会ももう終わりに近づく。
 村山(岩本)昌子さんの閉会の言葉で名残惜しい一次会の宴は終わった。

 二次会は場所を変えて、雄山荘の別館にある「俵の藤太の間」で行われた。参加者は90名。会場に入ると「ハンドベル」を奏でるグループが同窓生を迎えてくれている。二次会の司会は奥野晃弘君と木野(藤井)智子さん。ふたりの発声で二次会の宴が始まった。

 高校時代サッカー班の主将であった北川和夫君の乾杯で再び杯を重ねた。「星に願いを」「故郷」など楽曲を小林初子さんの指揮のもと7名がハンドベルで演奏、同窓生の心を癒してくれる。
 ビンゴゲームが始まった。今回の賞品が凄い。できるだけたくさんの同窓生に当たるようにと近江牛やブランド商品などを準備し、お酒の酔いに合わせてビンゴゲームにも酔っていく。

 プロ級のギター演奏と響き渡る歌を披露したのが、後藤邦夫君と林重樹君の「おやじバンド」だ。ビートルズの楽曲を数曲弾き語り、43年前私たちの高校時代に作られた懐かしいチューリップの「心の旅」をみんなで大きな声で歌った。

 最後は熊本の大学で教鞭を取っている中地重晴君が挨拶し楽しかった「還暦記念同窓会」が終わった。時計の針はすでに22時半を示していた。

 一次会だけ参加した同窓生、一次会と二次会に参加した同窓生は終宴後、実行委員会がチャーターしたバスに乗ってJR湖西線「おごと温泉駅」に向かい帰路についた。

 この後宿泊した同窓生が62名。二次会の宴が終わった後、大浴場でゆったり疲れを癒した同窓生、ラウンジでゆっくり飲み直した同窓生、部屋で遅くまで語り合っていた同窓生たち、それそれが思い出深い夜を過ごしていた。

ぐるっとびわ湖島めぐりクルーズの旅行記

 還暦記念同窓会とあって、今までの同窓会に一度も顔を出さなかった仲間の参加も見られ、盛り上がった一次会・二次会・その後の温泉での語り合い。心温まるいくつもの出会いを胸に刻み、翌朝、私たちはこの同窓会のもう一つの目玉企画、「びわ湖4島めぐり」のクルーズへと駒を進めた。

 9時に大津港出港。宿泊せず自宅から出直した同窓生、この日から初めて参加した同窓生、そして同窓生の家族や知人、膳所高校同窓会での呼びかけに応じて参加して頂いた先輩諸氏を加え、びわ湖汽船の貸し切り船「リオ・グランデ」はやや曇り空の中、乗船予定者の半数を乗せ、大津港を出港した。
 初めての試みで、スタッフは若干緊張気味だったが、参加者はどの顔も笑顔で、その様子に癒され、ほっと一安心。

 9時40分に雄琴港出港。雄琴港には昨日雄山荘に宿泊した同窓生が、首を長くして待っていてくれた。風もなく、波もおだやかで、まずまずのクルーズ日和。参加者総勢76名を乗せ、一路沖島に航路をすすめた。案内役のびわ湖汽船の中村さんも膳所の同窓生で沖島の歴史や生活、産業などについて詳しく話して頂いた。船内では、スタッフによる飲み物の自主販売もおこない、沖島への1時間余りの船旅は、船窓の風景を楽しみながら旧交を確かめ合う楽しいひとときだった。

 10時50分に沖島上陸。クルーズの第1目標、沖島に到着した。沖島では観光ガイドの方に島の南西部を案内して頂き、私たちは3つのグループにわかれ、島の生活の主要部を歩いた。島の入り口には沖島漁業会館があり沖島の特産品を販売していて、「よそ者コロッケ」というブラックバスを原料にしたコロッケが好評で、島の散策の前に注文する人も多く、散策後はびわ湖の味に舌鼓を打った。
 島を見下ろす高台にある奥津嶋神社を参拝し、沖島の産業や歴史について詳しく聞いた。その後、民家の間の狭い路地を抜け、島の西岸に抜けた。比良山系の美しい山並みをバックに記念撮影。港に戻る道中で、法要の終わったばかりの西福寺を参拝し、蓮如上人の直筆の書と縁起絵巻を拝見した。
 島民の数は350人と減少しているが、淡水湖にある有人島として世界的にも注目されている島民の生活のほんの一部に触れ貴重な体験となった。

 12時に沖島出港。昼食を摂る。
 沖島港を出港してすぐ、昼食のお弁当が配られた。びわ湖の恵みをふんだんに取り入れた「ぐるっとびわ湖島めぐり」というお弁当は、永源寺のこんにゃくやびわ湖のえび豆・鮎の甘露煮、牛肉のしぐれ煮やしじみの佃煮、デザートには草津宿の姥が餅と、なつかしい故郷の味を思い起こすとてもうれしいメニュー。

 昼食を楽しんだ後は、沖の白石の周りをぐるっと一回り。水深80㍍の海底にある山の頂上が顔を出しているという沖の白石をあらゆる角度から見学。見る角度によって4つが3つに、3つが2つに、挙げ句の果てには1つにも見えるお化け石、ここがびわ湖のど真ん中と伺い、感慨もひとしお。びわ湖に船を浮かべないと見えないという珍景に歓声が上がる。

 13時に多景島上陸。
 島自体が日蓮宗見塔寺の境内で、最近はパワースポットとして、観光客もたくさん訪れると噂される多景島は、すぐそばに彦根の街並みが見えるにもかかわらず、そこだけが別世界のような不思議な空間だった。
 高さ12mの岩に「南無妙法蓮華経」の文字が刻まれた題目岩までは、勾配のある細い山道をお互い道を譲りながら、老体にむち打って何とかたどり着いた。こんなところが、毎日見ているびわ湖の中にあったということが、感動・・。「五箇条のご誓文」が刻まれた誓いの御柱は、彦根側から見るとそこだけつんととんがっていたんだよね。歴史ある建造物だったことにびっくり!
 久々の軽いハイキングで、さわやかな湖風をうけ、日蓮上人のパワーをしっかりいただいた価値のある島めぐりだった。

 14時に竹生島上陸。びわ湖4島めぐりのクライマックス、竹生島への上陸は、参加者の多くが楽しみにしていた。西国三十三カ所観音霊場第三十番札所「宝厳寺」と、湖水を支配する浅井姫命を祭神とする「都久夫須麻神社」、まさに神仏融合の時代を象徴する神と仏の島は国宝や重要文化財の宝庫。
 多景島でくたびれた足腰にもう一度気合いを入れ直し、167段一直線に続く「祈りの階段」をただひたすら登りつくと、後ろは見事なびわ湖の景観にため息。

 これ、本当に私たちが育ったふるさとの風景なんだ…と改めて感動。
 階段を上りきると、日本三大弁財天といわれる弁天様にお参りし、その霊験あらたかなお姿に身も引き締まる思いだった。本堂では、参拝の記念にお守りや御朱印をいただく同窓生もちらほらいた。
 国宝の唐門と、観音堂は残念ながら工事中で、その全貌を見ることはできなかったが、船廊下から通り抜けることはでき、もう一つの国宝である都久夫須麻神社の本殿から龍神拝所へとたどり着くことができた。ここは、願い事を書いた素焼きの小皿を鳥居の間に通すと願いがかなうという、かわらけ投げの名所です。童心に返って、投げ方を競い合い、楽しいひとときを過ごすことができた。
 1時間余りの島めぐり。びわ湖とともに暮らす私たちの故郷のご先祖様たちの信仰の厚さや伝統を守る気概の一端にふれ、厳かな気持ちになった。還暦の厄もこの旅でしっかり落とせたと実感することもできたようだ。

 15時竹生島出港。ここからは一路大津港を目指す。
 2時間近くの船旅になるということで、全員を1階の船室に集め、「びわ湖○×クイズ」と銘打って、滋賀県にまつわる難問クイズを○×形式で行った。もちろん景品も滋賀県の名産、近江牛のカタログや、近江牛カレー、琵琶湖産の湖魚の佃煮やフナ寿司、バームクーヘンや瀬田の焼き物などでこれまた大好評。
 クイズで楽しんだ後は、有志同窓生によるクラリネット・マンドラテノール・ギターの演奏会で湖上クルーズにふさわしい、まったりとした幸せな時間を過ごすことができた。演奏してくれた有志の皆さん、感謝、感謝!
 途中、白髭神社の鳥居を湖側から参拝し、一日の楽しい船旅を感謝し、これからもこの仲間と、いつまでも健康で楽しい時間が過ごせるようにとお祈りして、一日を締めくくった。

 16時30分雄琴港到着
 17時10分大津港到着
 参加者76名、病気・ケガもなく無事クルーズを終えることができた。帰りがけに、どなたも笑顔で、「楽しかったわ、またよろしくね」と声をかけて帰っていって頂いたことが、スタッフの疲れを癒してくれた。
 二日間にわたっての同窓会、船を借り切ってのクルーズの旅、準備も苦労はあり、うまくいくか不安も大きかったが、参加同窓生が、楽しんでくれたこと、お世話したスタッフメンバー自身も楽しめたことが、何よりであったように思う。

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 「還暦記念同窓会」と「ぐるっとびわ湖島めぐりの旅」の2日間、湖国で活躍する同窓生のプロカメラマン辻村耕司君がクラス別写真をはじめ、いろいろな角度からたくさんのスナップ写真を撮ってくれました。本当にありがとうございました。

 昭和50年卒業生の皆さん、また次回も健康で笑顔でお会いしましょう!

【文責:姜(姜山)永根、木野(藤井)智子】