行事

令和7年度 戸定祭公開シンポジウム「就職支援・キャリアデザイン」開催報告

開催概要: 2025年10月25日(土)、園芸学部100周年記念戸定ケ丘ホールにおいて、戸定祭公開シンポジウム「就職支援・キャリアデザイン」が開催されました。戸定会では、卒業生の知識や経験を現役学生に伝えるシンポジウムを2022年から開催しており、今年で4回目を迎えます。

参加者: 会場には、現役学生をはじめ、卒業生、教員、一般の方々など約30名にご参加いただきました。冒頭、千葉大学副学長(園芸学研究院長・園芸学部長)の百原先生より「学生にとって先輩の生の声を聞ける貴重な機会です」と期待のご挨拶をいただき、会がスタートしました。

シンポジウム(話題提供): 本シンポジウムでは、4名の卒業生より、学生生活から現在の仕事に至るまでのキャリアや、学生への熱いメッセージをご講演いただきました。

  • 川道 美悠さん 食経2019年卒、勤務先:株式会社NTTデータ経営研究所(2025年9月現在)。卒業後は農水省に勤務。その後転職し、10月以降は更に新たな挑戦を始めている。大学生の時には想像していなかったキャリアを進んでいますが、「農業」に関わることは一貫しています。常に自分が納得のいく選択を重ねていくことで、少しずつ自分の見たい世界に近づいて行くと思います。学生時代に、留学、アルバイト、インターシップ等経験の幅を広げる中で、自分の軸を見つけることが大事。と語ってくれました。

    福地 孝哉さん 環緑2019年卒、園芸学研究科 環境園芸学専攻2021年修了、勤務先: SCSK株式会社。現在は、先端技術を活用したサービス開発・研究・案件支援に従事。大学時代は、リモートセンシングの研究をした中で、IT技術は全産業のデジタル変革を支えることができ、社会貢献できると思い、IT企業に就職したとのこと。入社後に研修制度が充実しており、必ずしも学生時代に情報系の専攻でなくても、成長できる。自分らしく前向きに取り組むことができる会社を選んでください。と語ってくれました。

    櫻井 杏子さん 応生2013年 卒、勤務先:(株)INGEN代表取締役。2014年に、「出荷額にコミットした日本版産地開発企業」を目指し創業。全国の産地を回り、データに基づき新たな作物の導入提案など、地域の抱える問題解決と収益性を高めるための支援を行っている。アクティブに活動している起業家の櫻井さんは、「これがやりたいんです。」と主張しても実績がなければ相手は動かない。相手が困っていることに自分がやりたいことが少しでも重なる部分で動くこと。情報をもらって解像度を上げるとやりたいことが見えてくる。と語ってくれました。

    奥 隆善さん  生物生産科学科 2000年、自然科学研究科博士前期 2002年修了。事業内容:三重県伊賀市での花ビジネス(品種開発から生産、販売、普及活動まで)、切り花はチョコレートコスモス他。全国新品種育成者の会監事。学生時代から、花屋の仕事、市場出荷、農家や企業回りをして夜に研究室で研究した。細胞融合、DNA計測、胚培養や大学で学んだ様々な理論は一生役に立つ。学生時代は学業のみならず、多方面の知識や情報、人とのつながりを得られるチャンスがあるので、限界を設けずとことんまで楽しみつくしてください。と語ってくれました。

全体討論・まとめ: 話題提供の後、「全国新品種育成者の会」の植木事務局長による会の紹介や、キャリアサポート室の小林先生からのコメント、質疑応答が行われました。最後に、齋藤戸定会会長が全体の取りまとめを行い、盛会のうちにシンポジウムは幕を閉じました。

交流会・結び: 閉会後は交流タイムが設けられ、参加者同士がざっくばらんに歓談する姿が見られました。参加者からは、先輩方の多様な生き方に刺激を受けたという声が多く聞かれました。 今回は4回目の開催となりましたが、話題提供者と参加者が互いに刺激を受け合う有意義な会となりました。今後も、世代を超えた交流と学びの場として活動を継続していきたいと思います。

報告担当者: 戸定会事務局

シンポジウムの様子(園芸学部100周年記念戸定ケ丘ホールにて)