明中・明高史に残る足跡

3 子午線観測台

 本校が所在する明石市を語る上で欠かせないのが東経135度の子午線であるが、その正確な観測に本校校内が利用されていたことは、同窓生にも案外知られていない事柄のようです。

 明治43年に地図を元に建てられた子午線標識を、正確な場所に建て替えることを提唱されたのが山内佐太郎校長で、昭和3年7月、明石市教育会から調査の委嘱を受けた京都大学の野満隆治博士が、明中に泊まり込んで校内に設けた観測台でザルトリウス子午儀(天文科学館に展示)による天体測量を実施した結果に基づき、昭和5年、月照寺境内にトンボの標識(SF漫画家松本零士が宇宙に興味を持った原点)として知られる子午線標識が建てられました。

 トンボの標識は、戦後の再建時に再度行われた天体測量によって、現在は天文科学館の北側に移転しています。
 また天体測量の際に使われた観測台は、第2グラウンド整備に伴い旧職員官舎跡地から仮移設され、100周年記念事業による整備を待っているところです。

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子午線観測台
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観測台記

 

 

 

 

 

 

 

【豆知識】地図上では上方が北として利用されており、東西南北の図郭線が引かれているが、この図郭線の北は、コンパスが示す北(磁北線)とは異なっており、磁北線は図郭線より西に5~10度ずれています。
 このため、国土地理院の地形図では、右側の注記に「磁針方位は西偏」約○度○分と、その地図で表示された地域の西偏度が表示されています。