清水谷高校校長挨拶

個性を活かして多文化共生国際社会を生き抜く生徒の育成をめざして

清水谷高校 校長 日笠 賢

清水谷高校 校長 日笠 賢

清友会の皆様には、常日頃より、清水谷高校の教育活動に大いなるご支援を賜り、心より感謝申し上げます。

今年度は特に、創立120周年記念事業での食堂の「ラーニング・カフェ」化への改装や、秋には記念式典と祝賀会の開催を控えているところに、4月から校長として本校に着任することになり、大任に慄きつつ大変喜んでおります。

私自身は岡山県津山市の出身ですが、奇しくも120年前に清水谷高等女学校の初代校長として着任され20年間勤められた大村忠二郎先生は同郷の大先達であり、清水谷高等女学校の前身の市立大阪第二高等女学校で校長事務取扱をされた元大阪市助役平沼淑郎先生もやはり同郷の大先達と知り、不思議なご縁に深く感じるところがあります。

今、教育を取り巻く状況は、戦後最大の改革と言われる時を迎えています。今年度の高等学校入学生からは、新たな学習指導要領の適用対象になります。社会科では「日本史」と「世界史」を横断した「歴史総合」や、「地理総合」、「公共」が新設されたり、情報科ではプログラミングや、データサイエンス等に関する内容を大幅に充実されたり、「総合的な探求の時間」では答えのない問題をグループで調査から発表まで行う授業が組み込まれています。同時に、新観点別評価が導入され、従来とは違う3つの観点で生徒を評価します。

これらの根本にあるのが、社会に開かれた教育課程、つまり社会との協働と連携によって、よりよい社会を作るための教育課程であることを目標として、「主体的で対話的で深い学び(=アクティブラーニング)」という視点からの授業改善や、学校のカリキュラムマネジメントの強化、そして学力の三要素とされる「知識及び技能」「思考力、判断力、 表現力等」と「学びに向かう力や人間性など」をバランスよく育むことをめざすことが言われています。

清水谷高校は、永い歴史の中で、生徒が、授業での勉強も学校行事やクラブ活動も全力で取り組む学校として、高い評価を得てきました。この素晴らしい伝統を繋ぎ、生徒が自主性を養いつつ個性を磨くとともに、今後ますます進展するであろう国際化や、多様化、多文化共生に対応して、二十一世紀の社会を生き抜くための学力と、非認知能力を一層身につけさせたいと考えています。

社会との協働と連携という意味でも、清友会と清水谷高校との関係は、強くなりこそすれ、弱まることはないと確信します。

校長としては、生徒の日々の成長と希望の進路の実現、ひとりひとりの幸せを願わずにはいられません。清友会の皆さまにおかれましても、清水谷高校に引き続きのご支援を賜りたく、心からよろしくお願い申し上げます。