創立120周年に寄せて
清友会会長 須藤 隆二(高34回)
2024年、福澤諭吉翁からバトンを受け取る予定の人物と言えば、「渋沢栄一」です。新一万円札の肖像として最
近話題に上ることが多くなってきました。「日本資本主義の父」として有名な方ですが、清水谷との意外な縁がある
ようです。
明治44年5月、日本女子大学校(現在の日本女子大学)の拡張資金を募集するために関西を訪れた際に、清水谷を
始めとする複数の高等女学校に立ち寄り、生徒に「訓話」を行った、と渋沢の日記にはあります。数多くの分野で嚆
矢となった天才・渋沢のこと、ありきたりな良妻賢母論にとどまらず、女性こそが日本社会を支える存在たれ、と説
いたのでしょうか。それを聴いた若き女学生達は何を感じ取ったのでしょうか。当時の訓話の内容を伝える資料は残
されていませんが、想像が掻き立てられます。
このようなエピソードもまた、母校の歴史の1頁です。120年の時を経て、清水谷という1冊の本は目を見張るほ
どの分厚さになりました。今後も母校がますます発展し、この本にさらに充実した頁を加えていけるよう、皆様のお
力添えを何卒お願い申し上げます。
「明治から令和、そして未来の友へ」