去る令和4年4月25日、静岡女子大学教授でいらっしゃいました加納正巳先生(享年90歳)が逝去されました。加納先生は昭和44年4月、静岡女子大学にご着任になり、この年に開設された司書・司書教諭課程に関する科目をご担当になりました。当時、静岡県内の4年制大学では唯一の司書課程で、静岡女子短期大学時代の司書教諭の養成課程を継承・発展させたものでした。この課程では単に司書資格の取得を目的とするだけでなく、教養としての図書館学の教授を目指し、情報の処理・管理・検索の手法や文献データへの向き合い方など研究・調査等に必須の基礎的手法の教育にも重点が置かれました。静岡女子大学では昭和54年に附属図書館が開館しましたが、先生は静岡女子大学最後の図書館長もお務めになりました。また、長年の学術と教育へのご貢献により静岡県立大学名誉教授に叙されました。
ご専門は図書館情報学で、昭和46年に刊行された『教育学関係参考文献総覧』は翌年第1回日本図書館学会奨励賞を受賞しました。日本の教育関係の包括的な文献解題が少ない中、先生のご著書は画期的なものとして高く評価されました。
先生の多大なご貢献に感謝申し上げるとともに、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。