令和3年12月25日、静岡女子大学文学部国文学科教授でいらっしゃいました原口裕先生(享年88歳)が、右腎臓腫瘍のため永眠されました。
先生は、静岡女子大学創立4年目となる昭和45年にご着任になりました。ご専門は国語学で、近代語の成立を通時的な観点による表現形式や言語の発達と変化という側面からご研究になり、多くのご功績を残していらっしゃいます。また、静岡県立3大学の統廃合で大学が揺れる多岐多端な時期に、静岡女子大学学生部長に就き、続けて文学部長の要職を静岡県立大学教授と兼任でお務めになられました。平成元年4月に大阪女子大学(平成17年に大阪府立大学に統合)に転出なさり、平成8年に長年の研究・教育へのご貢献と学内外のご功績により大阪女子大の名誉教授に叙されました。
『静岡女子大学二十三年誌』に掲載された座談会で、「滴々の碑」に詠われた萩の花をご自宅に持ち帰って庭に植えられたことを語っていらっしゃいます。先生には、令和3年10月末発行の国文学科同窓会会報第十号にご寄稿いただいたばかりでした。常に学生に寄り添いながら真摯に研究と教育に向き合われたお姿を偲び、ここに先生の学恩に心からのお礼を申し上げ、謹んでご冥福をお祈りいたします。