令和4年12月、静岡女子大学家政学部食物学科助教授でいらっしゃった高瀬幸子先生(享年89歳)がご逝去されました。高瀬先生は昭和48年に静岡女子大学家政学部食物学科栄養生理学研究室に着任され、平成2年からは静岡県立大学食品栄養科学部助教授、同大学院生活健康科学研究科教授として、研究、学生の教育に尽力されてきました。県立大学退任後も、県立長崎シーボルト大学看護栄養学部教授、浜松大学健康プロデュース学部教授、同大学院健康科学研究科長等を歴任され、長きにわたり栄養素について研究をなさっておられました。特に「レチノイド結合たんぱく質を中心とするレチノイドの生理作用に関する研究」は日本栄養・食物学会より学会賞が贈られました。また、研究成果に基づく2件の特許も取得されておられます。長年にわたる大学の発展と教育の向上へのご貢献と学内外のご功績により平成11年に静岡県立大学名誉教授、平成18年に県立長崎シーボルト大学名誉教授に叙されました。
静岡女子大学時代の高瀬先生は、研究にまい進され、熱い講義や厳しく熱心なご指導で有名でしたが、反面、授業から離れたところではとてもユーモラスで、明るい先生の笑顔が懐かしく思い出されます。おおとり会同窓会にはいつもご出席くださり、温かい励ましのお言葉をくださいました。年を重ねた私共、いつも背筋の伸びる思いで伺っておりました。
先生の懐かしいお姿を偲びつつ、ここに心よりご冥福をお祈り申し上げます。