2020年度の明音会総会・懇親会は開催を見送り

 今年度の明音会総会・懇親会は開催を見送りました。
 新型コロナウイルスの感染拡大にともない、各地で会議やイベント等を自粛されております。
 明音会と致しましても多くの会員が参加を楽しみにされていることは承知しておりますが、会員の皆様の健康と安全を最優先に考え、今年度の明音会総会・懇親会の開催を見送ることといたしました。
 また来年、皆様のお元気な笑顔にお会いできることを心より願っております。

 音楽科主任の谷津先生より、お手紙をいただきましたので掲載いたします。


 明音会の皆様へ

 皆さまご機嫌いかがお過ごしでしょうか?
 今年は思ってもみませんでしたコロナウイルスの感染拡大により、世界中がパニックとなりました。
 恒例の夏の明音会総会も感染拡大防止のため、今年は中止とのことで、皆様にお目にかかれないことが大変残念でございます。
 いつも、総会でご挨拶させていただきますようなことを、心のままに書いてみました。

 本年度は、4月6日に入学式が挙行されまして、音楽科には3名の男子を含む37名の新入生を迎えました。久しぶりの定員割れに、まだまだ続くであろう少子化の波を強く意識し、改めて危機感を感じております。
 全国には67校あまりの(昨年のデータなので多少変わっているかもしれません)音楽高校がありますが、10年前には80校以上でした。たった80校しかない音楽高校が、10年で10校以上の廃科はかなりショッキングな数だと思います。毎年音楽高校の協議会に参加のたびに、廃科による退会の報告があり、悲しい気持ちになります。
 明和高校も愛知の県立として唯一の音楽科ではありますが、必要性がないと言われたら、廃科もよそ事ではありません。
 卒業生の皆様が築いてこられた音楽科を絶やしてはいけないと、厳しい現実に向き合い闘っております。引き続き皆様からのより一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 さて、4月6日に入学してきた新入生ですが、たった1日で臨時休校となりました。翌7日は本来始業式でしたが、新学期生徒連絡のための登校日としての日程が組まれました。
 その後、臨時休校は延長され、5月24日まで休校が続きました。その間学校は静まりかえり、生徒不在の学校は寂しい伽藍洞のように感じました。
 我々教員は、その間多少は暇になるかと思っていたのですが、それが全く予想に反して何がそんなに忙しいのかしら・・・と思うほど毎日が大変でした。
 音楽科の生徒はこの時点ではまだ教科書を購入しておらず、休業中の課題を出そうにも、授業を配信しようにも、教科書がないことは不便で、結局全員に対して希望する教科書を郵送するという作業が始まりました。すでに持っているものを除き、何が必要かアンケートをとり、それに従って一人ずつ仕分け、さらにパック詰めの作業、完成した荷物を郵便局に持っていく、という工程を担任教諭を中心に行いました。
 次に、未体験領域であった授業動画の作成、および作成した動画を配信すること、オンラインでのホームルームやレッスンなど、それぞれの暗中模索の毎日が続いております。
 ほんの少し慣れてきたかなと思った矢先、学校再開のニュースが流れ、待望の対面での授業が目前となりました。
 余談ですが、この休業期間中、普段会議室で行われる職員会議は、密を避け人との距離を保つための対策として、体育館で思い思いに散らばって着席し、不思議な雰囲気の中で行っていました。

 少しずつ、本当に少しずつ日常が戻ってきていますが、しばらくはコロナ以前の生活には戻れないので、新しいルールのもと、できるだけ公平性を保てるよう、そして生徒たちが伸びやかに音楽科生活を送っていけるように支援していきたいと思います。

 世の中から生の音楽が消えてしまって数か月が過ぎました。コンサートをはじめ、早く音楽のあふれる日々が戻ってくるといいですね。
 当たり前だと感じていた日常の小さな幸福が、とても大切なものであったことを、コロナウイルスというとてつもない敵に出遭うことで再確認したこの春の毎日でした。

 本年度、音楽科は創立70周年を迎えました。
 専任一同、このアニバーサリーイヤーを華やかに企画演出して、皆々様に楽しんで頂こうと考えておりました。残念なことに今の時点では、ここまでのコンサートや企画は止むを得ず中止しています。でも、これで心を折ることなく
 「70th Anniversary Project」として、2020〜2021年度が、記念の年となりますように頑張っていきたいと思っています。

 皆様におかれましても、まだまだ落ち着かない日々ですが、くれぐれもご自愛いただきまして、来年こそは元気に総会で再会できますことを、今から心待ちにしております。

音楽科主任  谷津 理恵子…