ごあいさつ

明和会会長 渡邉善一

同窓会会員の皆様、お変わりございませんでしょうか。皆様の益々のご活躍、ご健勝を念じております。

私は令和4年8月の明和会総会にて新たに、明和会の会長にご推挙いただき、伝統あるこの会の運営に携わらせていただくことになりました。同窓会の皆様にお支えいただき、この伝統ある会を益々発展できますよう努めて参りたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

さて、会長就任の折、前任の長澤名誉会長はじめ歴代の会長が築いて来られたことを継承し、時代の変化とともに変えるべきところは変えていく旨を申し上げました。明和高等学校校歌の中に「自主自立」という言葉がありますが、明和会は老若男女、職種等を越え、ご縁をいただいたこの会の中で「互いに励まし、叱咤し、助け合い」ながら、それぞれが人として成長、自立する明るく和やかな会にしたいと存じます。

皆様もよくご存じのアメリカ合衆国のジョン・F・ケネディ大統領やビル・クリントン大統領が「日本で一番尊敬する政治家は?」という問いに対して、江戸時代の米沢藩藩主である名君「上杉鷹山」公を刹那に挙げられました。上杉鷹山公は、財政の再建・産業の開発・精神の改革という三つの大きな改革を行ない、米沢藩を救いました。日本全国のおよそ二八〇藩の中でも模範として幕府から称揚され、「寛政の改革」を行なった老中・松平定信からも高く評価され、鷹山公を将軍拝謁のうえ「国政別格」と表彰されるよう取り計らい、鷹山公が亡くなられた際には「三百諸侯第一の賢君」と言ってその死を悼んだと言われています。実は、この「上杉鷹山」公の生涯の師が細井平洲先生で、明和高校の前身である尾張藩・藩校「明倫堂」の初代督学(校長)に齢、五十三歳で就かれました。

その細井平洲先生は、いくつもの名言を残していますが、有名なものでは、「勇なるかな 勇なるかな 勇にあらずして 何をもって行わんや」という [これから立ち向かわんとする藩政改革にあたって最も必要なのは勇気ですよ。勇気なくして、どうして政(まつりごと)が行なえましょうか]という教えや「学思行(がくしこう) 相まって良(りょう)となす」という[学び、考え、実行することの三つがそろって、初めて学んだことになる]という教え、さらには、「先施(せんし)の心」という[(先施とは“先に施す”と書きますが)人との付き合いでは、相手からの働き掛けを待つのではなく、自分の方から働き掛けていくということ。人に親しみをもってもらおうと思うなら、自らが親しみをもって接していく。人から敬ってもらいたいと思うのなら、自らが人を敬う気持ちをもつ。こうした自らの働き掛けが、人の心を動かす]という教えがあります。

卒業される皆様をはじめ、同窓会の皆様とお会いいたしますと数百年の年月を経てもその校風が綿々と伝わっているように実感しております。「親和と友愛」「敬・信・愛の気風」「自主自立」

令和4年度、明和高校には小島寿文校長先生が赴任されましたが、学校の先生方、保護者、同窓生の皆様とともに新しい歴史の一頁を築いていきたいと深く念じております。