同窓会会長 森下 正紀

 同窓会の皆様方には、日頃から同窓会活動にご支援、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。新たなる世紀に目覚めてという、桐蔭高校の校歌に歌われています和中・桐蔭は、明治、大正、昭和、平成と時代に応じて人材を輩出してまいりました。そして、各世代の架け橋とし同窓会は重要な役割を果たしてまいりました。和中・桐蔭は明治12年創立の和歌山中学校から数えて平成31年で140年になります。平成31年4月30日に今上天皇が退位され年号が変わり、新たなる世紀を迎えることになります。世紀の節目に巡り会うことはこの上ない光栄であると存じます。

和中・桐蔭あわせて約4万人の有為な人材・卒業生を世に送り出してまいりました。今後とも、継続して、明日の和歌山、明日の日本、そして世界に貢献できる有能な人材を輩出していただきたいと願ってやみません。「文武両道」の強靱な精神は、時代を超えて先輩から後輩へと確実に受け継がれ、それぞれの人生を歩むうえでの基盤となり、学問やスポーツをはじめ、数々の栄光の記録や業績を生む原動力になっています。

周知のとおり歴代の校長先生をはじめ教職員の方々、及び先輩の皆様方が、営々と積み上げてきた伝統と情熱と努力の賜物として、今や桐蔭高等学校は、言うまでもなく社会的にも広く認知されています。「文武両道」で各分野において、伸びやかに生き生きと活動している在校生のすがたは、地域に欠かすことのできない無形の資産であり郷土の誇りでもあります。

同窓会では、卒業生同士の親睦や母校の理解を深めるための活動を行うと共に、私たちがかつて勉学やスポーツに勤しんだ青春の只中にある在校生のために、母校の教育環境を整えるために、サポート体制を取っていくつもりです。勿論のこと、同窓会活動の魅力は時代が違っても青春時代を同じキャンパスで、過した仲間との語らいを楽しむことであります。機会があれば、青春を謳歌したキャンパスに足を運んでいただき、ノスタルジーにひたっていただきたいと思います。

結びになりましたが、同窓会名簿の刊行にあたってのサラトはじめ関係各位、桐蔭高校のご協力に感謝申し上げると共に、和中・桐蔭同窓会の皆様方のご健勝とご多幸を願いご挨拶にかえさせていただきます。

 

校長 川嶌 秀則

ごあいさつ

和歌山県立桐蔭中学校・桐蔭高等学校
校長 川嶌秀則

 和中・桐蔭同窓会の皆様には、益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。

 平素から本校教育にご支援・ご協力を賜り、心から厚く御礼申し上げます。

 令和5年4月1日付、桐蔭中学校・高等学校長を拝命し、着任いたしました。微力ながら本校発展のため、全力を尽くしてまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。

 さて、桐蔭は今年、明治12年3月の旧制和歌山中学校創設から146年目、戦後の学制改革により桐蔭高等学校が発足してから77年目、併設された桐蔭中学校の開設から18年目を迎えます。この間、卒業生は約4万人にのぼり、高い志を有した有為な人材として、さまざまな分野・領域で、和歌山県内のみならず国内外において活躍しています。

 長い歴史に支えられ、継続・発展を遂げながら、先輩から後輩へと引き継がれてきた桐蔭の「伝統」は、今も生徒一人一人の心の中に生き続け、それぞれの人生を歩む上での拠り所となっています。

 校訓である「文武両道」のもと、勉学と部活動や学校行事など両立させ二兎を追いながら、仲間と切磋琢磨し、学ぶことの意義を探求するとともに、自らの資質能力を高めてきました。

 正門を入ると、その歴史と伝統を象徴する2つのものが目に入ってきます。

 1つは正門をくぐると右手に、「改革と伝統」と記されたモニュメントが建立されています。これまでの桐蔭の「伝統」を守りつつも、そこに安住することなく、常に自らを「改革」していこうという強い意志を表しています。さらに、桐蔭生が、新たな時代を乗り越え、これからの社会、或いは世界を牽引する人材となって活躍してもらいたいという思いもこの言葉に込められています。

 もう1つは正門奥の左手にある、校名「桐蔭」を象徴する桐の木であります。春から初夏にかけて釣鐘型をした薄い紫色の上品な花を枝先に咲かせ、花が終わった後は実を付け、さらなる一年が歴史として刻まれる姿を見ることができます。今年もきれいに咲く様子が目に入ってきました。

 令和元年に執り行われた和中・桐蔭創立百四十周年記念事業は、同窓生の皆様や当時の在校生にとってまさに記憶に残る行事となり、歴史的な年になったと思います。
それから、はや6年が経過しました。

 その間、令和2年3月、新型コロナウイルス感染症による全国一斉の臨時休校に始まり、学校内外の教育活動が著しく制限され、これまで当たり前のように行われてきたことが一変しました。令和6年3月に卒業した桐蔭76期生275名の1.2年次は、さまざまな活動が抑制・制限された高校生活となりました。しかしながら、卒業生の進路は、東京大学や京都大学の難関大学を含め、6割弱が国公立大学に合格しています。また、クラブ活動においても、インターハイや全国選抜大会に多くのクラブや選手が出場し、文化・芸術においても全国レベルの大会で入賞を果たすなど、厳しい環境を克服しながら見事に文武両道を叶えてくれました。

 これらは、高い学力と運動や文化・芸術において優れた才能を備えた桐蔭生の、最後まで諦めない頑張りはもちろんのこと、教職員の熱心な指導、保護者の協力・支援、さらには同窓会をはじめ多くの方々の継続的な応援の賜であります。

 AIやIoT、ロボティクスなど情報科学が飛躍的に進展し、グローバル化が益々進み、社会が大きく変わろうとしている中、少子化も進み、私たちを取り巻く環境は一層厳しくなっています。世の中が変革する時であっても、一人一人が柔軟な対応力、自由な発想をもって、様々な課題や障壁を乗り越えることが求められます。

 これからの時代を生き抜く活力と高い品格を備えた桐蔭生を世に送り出し、和歌山県教育を牽引していくという気概と県民の信頼と期待に応える学校であり続けるために、教職員総力をあげて全力で取り組んでまいります。

 結びに、和中・桐蔭同窓会の皆様方のさらなるご発展を祈念するとともに、これからも母校に関心をお持ちいただき、一層のご支援とご協力を引き続き賜りますようお願い申し上げます