創立110周年お祝いのことば
創立110周年記念事業実行委員長 山 野 俊 二
年号が令和と改まっためでたき年に、井戸兵庫県知事様をはじめ、各界から多くのご来賓の方々のご臨席を賜り、世界遺産姫路城を仰ぎ見るこの地で、生徒諸君と共に創立110周年をお祝いできることは、主催者としてこの上無い喜びであります。まずは110年の永きに渡り、本校発展にご支援、ご尽力を賜りました、歴代の校長先生をはじめ、多くの皆様に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
本校の前身であります県立姫路高等女学校は、明治43年4月に西の県女として、地域の大きな期待を受け開校いたしました。従来の良妻賢母型の女学校ではなく、学力重視の教育で入試倍率も非常に高く、姫路の才媛が集まるエリート校として、注目を集めました。あれから110年、県立姫路東高等学校は明治から令和と5代に渡り、歴史と伝統を連綿と受け継ぎ、今や県下を代表する高等学校に成長してまいりました。特に、平成15年から取り入れた単位制により、大学入試における進学実績だけではなく、生徒の個性を伸ばすキャリア教育効果と相まって、優秀な卒業生が続々と誕生しているのは、先輩として頼もしい限りでございます。
また、「自主 創造 友愛」の校訓の下、34,000名を超す優れた人材を輩出し、政治・経済から文化・教育の分野まで、各界で幅広く活躍されていることは周知の通りでございます。その中には、母校を愛する篤き卒業生も数多くおられ、想像を超える多くのご寄付を賜っております。お蔭様で、この度の110周年記念事業では、世界遺産の環境にマッチした、「弥生の庭」と「令和の白壁」を完成することができました。その上、育英基金も、先の100周年記念事業以来一段と充実し、その額は県下の高等学校でも群を抜く規模にまで発展しております。これも偏に、学校、PTA、同窓会の三者の絆の賜として、厚く感謝を申し上げる次第でございます。
さて、世界は今、米中経済戦争を皮切りに、英国のEU離脱など、自国の利益しか考えぬ大国主義、利己主義がはびこり、政治・経済とも混沌に陥っており、将来がまったく見通せなくなっております。一方、環境問題では地球温暖化が一段と進み、自然災害が世界各国で年々巨大化し、その被害は膨大な額となり、世界の喫緊の課題となってきております。日本もこれらの問題を避けて通ることはできません。先の台風15号や19号の甚大な災害は、皆様のご承知の通りでございます。このような時代だからこそ、これらの難問に立ち向かうグローバルな人材を育てなければなりません。
東生会は次の50年、100年を睨み、育英基金制度を更に充実させ、人材育成に全面的に支援してまいる所存でございます。在校生の皆様も110年の伝統を持ち、躍進続ける県立姫路東高等学校を誇りとし、世界遺産姫路城のもと、3年間の充実した高校生活で培ったグローバルな視点を大いに生かし、世界平和に貢献してほしいものです。
最後になりましたが、110周年の記念事業を推進するにあたり、関係者の皆様に絶大なるご支援、ご協力を賜りましたことを厚く御礼申し上げまして、私の挨拶に代えさせて頂きます。