令和3年年頭、会長挨拶更新による前挨拶(卒業式・祝辞)の移転
祝 辞
同窓会、後援会を代表しまして、ご挨拶申し上げます。新しい元号の令和が始まり、典拠となった万葉集が読まれています。
「石走る 垂水の上の 早蕨の 萌え出づる春に なりにけるかも」(志貴皇子) この歌の、春の到来を歓ぶ、生き生きとした躍動感、卒業生を送るにふさわしい、一首のように思います。
卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様には、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。校長先生を始め、諸先生方には、熱心なご指導に、感謝申し上げます。
さて、今年は56年ぶりに日本で再び、東京五輪・パラリンピックが開催されます。国の総力を挙げ、開催するオリンピックを機会に、日本は変わります。「オリンピック後の日本」を見据え、これからの社会を力強く豊かに生きていくために、卒業生に目指していただきたいことを三点申し上げます。
一つ目は、「今を生きることを大事にしてほしい」ということです。小さな子供は、当たり前のように「今を生きる」ことに懸命であり、毎日が発見と希望に満ちています。ところが、とかく大人は、「過去」のことを思えば後悔が、「未来」のことを思えば心配が生じます。
「今」をよりよく生きるために、歴史や文化などの「過去」を大切にし、「今」を生きるために「未来」への希望を持つようにすれば、より豊かな人生を送れるのではないかと思います。
二つ目は、「同級生を大事にしてほしい」ということです。『灯台下暗し』という言葉がありますが、友人の言葉は、いろいろな意味で、現在の皆さんに影響を及ぼしています。皆さんの周りには模範となる人、手本となる同級生がいます。
自分と同じ世代の人がこんなことをしている、それを知ることが大きな刺激になります。卒業後も、同世代、同級生を大切に、磨きあい、共に成長してください。「同級生からの刺激」は重要です。
三つ目は、「3つの縁を大事にしてほしい」ということです。中曽根元首相は、『3つの縁』を座右の銘とし、後輩の群馬県立高崎高校の生徒を励ましました。
『3つの縁』とは、良い人間関係を表現したもので、人と縁を結ぶことを『結縁』、その縁を尊ぶことを『尊縁』、その縁に随うことを『随縁』、と言うそうです。強い使命感を背景に、努力を惜しまず、生涯学び続けた中曽根元首相の周りには、地元の支持者、政治家、マスコミ、学者など、さまざまな「輪」が幾重にもあったそうです。
結びに、市立銚子高校の卒業生として『プライドと大きな志』を持って、4月からのそれぞれの場で、全力を尽くしてください。卒業生の皆さんのご健康と、ご活躍、ご多幸を祈念し、祝辞といたします。
令和2年3月7日
銚子市立銚子高等学校同窓会会長 伊勢﨑 翼