会長挨拶

「新年度を迎えるにあたって」      

同窓生の皆様におかれましては、ご健勝にてお過ごしのこととお喜び申し上げます。

さて、卒業式前日に同窓会入会式を開催し、学級代表各2名に幹事を委嘱しました。卒業生は落ち着いた態度で、会場が引きしまり立派でした。私からは卒業にあたり、江戸時代8代将軍吉宗が寺子屋の手習い本・道徳教科書とした、室鳩巣の『六諭衍義大意』から、次の六つの教えを紹介しました。その内容は「①子に教育、②親に孝行、③目上に敬意、④仕事を大切に、⑤ふるさとを思う、⑥悪いことはしない」というものです。

翌日、卒業式での祝辞では、まず元日に起きた令和6年能登半島地震で、被災された皆様には心からお見舞いを申し上げ、続いて卒業生には次のような言葉を贈りました。その概要は次の通りです。

「今年は日本の実業家で、阪急電鉄・阪急百貨店を創業、宝塚歌劇団・東宝映画を創設した小林一三を紹介します。小林は昭和10年頃、次のようなことを言っています。サラリーマンに限らないが、と前置きしながら、社会生活において成功するには、『その道』で、エキスパートになることだ。それには、ある一つのことに対して、その人でなければならない人間になることだ、と続けました。当時は昭和の不況で失業者が増え、加えて二・二六事件、日中全面戦争が勃発、戦前昭和の日本が、太平洋戦争へと突き進む時代でした。

時代は下り、昨年3月のWBCで、大谷翔平選手は前回王者のアメリカとの決勝戦を前に、「憧れるのをやめましょう」とチームを鼓舞しました。

それに応えた日本のエキスパートたちが、果敢に立ち向かい劇的な勝利を手にしました。卒業生の皆さんにも、それぞれ、『その道』で、エキスパートになってもらいたい、と思います。

市立銚子は、昭和12年4月に旧制の銚子中学校として開校しました。その歴史は古く、地元の高等教育の拠点として、前途有為の青年を育成してきました。市民や近隣では、久しく、『お山』の愛称で親しまれ、現在は『市立銚子』・『市銚』と呼ばれ、その歴史と伝統を育んでいます。

昨日の同窓会入会式では、267名の皆さんを正会員としてお迎えしました。皆さんは、市立銚子の卒業生としてのプライドを持って、何事にも取り組んでください。(以下、省略)」。

なお、令和6年度夏までの主な同窓会事業の日程は次の通りです。4月9日(火)に入学式、6月8日(土)に第1回幹事会、そして、7月21日(日)に市立銚子高校同窓会総会と講演会を予定しています。また、東京支部同窓会総会と講演会は、6月16日(日)午後4時から、東京神田の学士会館で開催されますので、皆さんのご参加をお待ちしております。

最後になりましたが、皆様の変わらぬ温かいご支援とご協力に感謝申し上げますとともに、皆様のご多幸とご活躍を祈念申し上げます。

同窓会会長 伊勢﨑 翼