25回生 伊藤 宏 様

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第30回目は伊藤 宏様にお願い致しました✨
伊藤 宏さん(福島大学名誉教授)
25回生(昭和49年卒業)普通科 
🌸卒業後の略歴🌸
昭和49年に慶應義塾大学に入学し、卒業後に銀行に就職しましたが、長くは続かず、2年間で辞めました。銀行を退職後、母校の大学院で5年間学び、その後、福島大学経済学部に教員として就職し、35年間在職しました。その間、経済学部長(経済経営学類長)、人文社会学郡長、理事・副学長などを務め、令和3年に定年退職しました。
🌸桜台高校での思い出🌸
昭和49年に桜台高校を卒業し、令和6年でちょうど卒業50年になります。当時はまだ市電(路面電車)が通っており、市電で通学していました。その頃の市電の運賃は25円でした。隔世の感があります。守山区からの通学時間は長く、その時間を利用して受験勉強をしたものです。曲がりなりにも大学に入学できたのは、ガタガタ揺れる市電の中での勉強のお陰だと思っています。
🌸現在のご活躍🌸
私の専門は「管理会計」という分野で「会計学」と「経営学」との中間的なものですが、この専門は大学一年生に簿記の授業で教えていただいた恩師との出会いがきっかけです。その後、その先生には3・4年生のゼミ、大学院での5年間お世話になりました。
 福島大学では専門分野だけでなく、長年にわたり「就職支援」と「キャリア教育」を担当しました。リクルートワークス研究所の大久保幸夫氏は、人のキャリア形成を「山登り型」と「筏下り型」の2つに類型化しています。「山登り型」とは明確な夢や目標を持ち、それに向かって計画的にキャリア形成をするというものです。医師や薬剤師、小中学校の教員などになるためには「山登り型」のキャリア形成が必要です。しかし、必ずしも明確な夢や目標を持たず、様々な人の出会いや出来事を経験しながら、その場その場で転覆しないように頑張って、結果として今の場所に辿り着くのが「筏下り型」です。人生はなかなか計画通りにはいかないもので、その時々の出会いや出来事を大切にして頑張っていけば、自ずと道は開けるものです。私のキャリア形成も勿論「筏下り型」でした。恩師や友人との出会い、震災などの出来事、これらは私のキャリア形成に大きく影響しました。
🌸桜台高校100周年に寄せて🌸
桜台も多くの先生や友人との出会いの場でした。高校は単に受験勉強をする場ではなく、様々な人との出会いの場でもあると思います。そういう意味で桜台高校はバランスの取れた良い高校でした。これからもそうあってほしいと思います。桜台高等学校創立100周年おめでとうございます。
(編集者より)
市電は旅先でしか見たことがないので、桜台高校への通学に市電を利用されていたというお話は私にはインパクトがありました🚃25円という運賃も❗️こうしたエピソードに改めて桜台高校100年の歴史を感じます😌
昨今のコロナ禍のように思い描いたとおりに進めないご経験を多くの方がされている中で、伊藤さんの仰るフレキシブルな「筏下り型」の在り方がますます見直されていると思いました。
インタビューへのご協力ありがとうございました🌸