夏山登山-森吉山(1,454m)

平成25年8月4日(日)~6日(火)

吉村 悟 (3回)


初日 8月4日(日)

東京駅から秋田新幹線のスーパーこまち7号に乗り、角館に着いた。総勢7名、昨年の夏山は参加が皆無だったが、今年は女性の参加が3名もあり華やかだ。駅前で昼食を取っていたらぐらっと揺れ。東北で比較的大きな地震があったとのこと。食事を終えて秋田縦貫鉄道に乗り込んだ。1両の可愛いジーゼル車だ。

秋田縦貫鉄道


秋田縦貫鉄道に乗り小一時間、阿仁マタギ駅に着いた。ホテルの車が迎えに来てくれている。早速皆で乗り込んで出発、打当温泉を横目に見て、中の又渓谷に向かった。道は先日来の雨で傷んでいて、応急補修のため所々鉄板が敷いてあり、その下は抉れて崖となっている。慎重に危険個所を通過し、駐車場で車を降り、徒歩で安の滝を目指した。車の運転手さんが道案内をしてくれた。
45分くらい谷間を縫うように登り、やっと目的の滝に到着した。谷合は湿度が高く汗が吹き出でる。30M位高さのある安の滝は雨で水量が増していて、大変壮観だった。ゆっくり滝見物をした後再び車に乗り、今夜の宿である阿仁の森ぶなホテルへ向かった。

安の滝


二日目 8月5日(月)
前の日のテレビの天気予報で「曇り時々雨、所によっては雷」と穏やかならざる予報を聞いたので、朝起きて恐る恐る窓の外を見たら薄日が漏れていた。これは嬉しいと朝食もそこそこに登山の支度をして、ホテルのご主人の運転する車でゴンドラに向かった。

ホテル前で整列!


ゴンドラの運転開始は9時からだが、我々が入り口で待っていたら、少し早めに乗せてくれた。山頂駅までゴンドラで約20分、いよいよ歩き出した。いきなり急な登りなので、ゆっくり歩く。1時間程で勾配が緩やかになり、石森と言うところに着いた。

ニッコウキスゲが我々を歓迎してくれる。花の百名山といわれる森吉山に来た甲斐があった。

少し休んでさらに登ると今度は綺麗な池塘があった。尾根に近いのによく水が溜まっているものだと感心しながら、なお進む。間もなく阿仁避難小屋が見えてきた。小屋に着く前にクマよけの鐘をならす。

避難小屋は3階建ての頑丈な造りで、食糧さへ有れば1年は暮らせる。前夜良く眠らなかった女性メンバー2名がここで待っているというので、残りの4名で頂上を目指す。天気は曇りだが、時々雲が上がり、下が見渡せる。当分雨の心配はない。避難小屋から1時間、大体予定通り頂上に到着した。時々雲が切れ下界も見渡せる。

避難小屋に残してきた2人が気になるので、早々に下山を開始した。無事に避難小屋の二人と合流し、皆で昼ご飯を食べた。なんといってもこの時間が一番楽しい。昔のことを止めどなく話し、帰途についた。

また石森に戻り森吉山を振り返った。ややガスが出ているが、眺めは良い。花も咲き乱れ、この世の楽園だ。

ゴンドラの山頂駅にたどり着く頃、雷の音がし出して雲行きが怪しい。ゴンドラを降りたら雨が降ってきた。ホテルまでの少しの間雨に降られたが、山では会わず大変幸運だった。

ホテルに着いてお風呂に入り夕食となった。お酒は1時間飲み放題で宿賃に含まれている。気持ちよくお酒を頂き、部屋に帰った。寝るのは早いと言うので皆で一室に集まり、小泉を偲んで山の歌を合唱した。

第3日目 8月6日(火)
相変わらず天気予報は曇り時々雨、時々雷だが、朝は薄日が差している。朝食を済ませ、ホテルの車に乗って太平湖へ向かう。途中阿仁合駅で朝帰る人を1名降ろした。太平湖桟橋で車から遊覧船に乗り換え、太平湖を横断して小又峡桟橋に向かう。太平湖は人造の湖だが、周りを木々に囲まれ、大変静かだ。

小又峡桟橋から目指す三段滝までは45分とのこと。小又峡を遡って行く。

思ったほど谷は滑らないが、それでも苔が生えている所などは危ない。慎重に谷を登る。途中化の堰という谷が狭い所があった。それを過ぎてやっと三段滝に到着した。これで夏山の全日程は終了した。天気予報にも拘わらず、ほとんど雨や雷に会わなかったことを、みなで感謝した。


 

小泉繁久さんを偲ぶ

大窪 和子

2日目の晩は図らずも、6月24日に旅先で急逝された山の友、小泉繁久さんを偲ぶ会になりました。亡くなる半月前10人で登った群馬県の「尼ヶ禿山」で小泉さんはまことに元気でした。いつものようにパーティーの最後尾をしっかり守って歩いてくれたのです。

あの小泉さんが何故?という吹っ切れない悲しみが仲間の心を満たしています。

小泉さんは歌うことが大好きな人で、緑友ハーモニーのメンバーでもありました。山を歩きながら小泉さんの歌声に誘われて、私たちは良く唄ったものです。その時の歌がいつの間にか口をついて唄い出されました。「雪山賛歌」「アルプス一万尺」「エーデルワイス」 「遥かな友へ」、山の歌だけではなく民謡や童謡、子守唄まで。唄いながら小泉さんを偲び、追悼す るひととき、まるで小泉さんの歌声が一緒に聞こえてくるような気がしました。

2012年4月16日(月)
石老山にて


私たちが学生だったころ『山で唄う歌』という小さな歌集が出版され、山好きの若者たち
のベストセラーになったことをご記憶の方も多いでしょう。その歌集の見開きに、その頃
私が書きとめた一文をご紹介します。

想い出を残して歩け。

すべての場所について一つびとつの回想を持つがいい。

それは他人から奪い取ることなしに、

お前が富む唯一の方法なのだ。

尾崎喜八『山の詩帳』より

小泉さん、たくさんの想い出をありがとうござました。


 

行程
8月4日(日) 東京-(秋田新幹線)-角館-(秋田縦貫鉄道)-阿仁マタギ-(ホテルの車)-安の滝-(ホテルの車)-ホテル(泊)
8月5日(月) ホテル-山麓駅-(阿仁ゴンドラ)-山頂駅-石森-森吉山-石森―(阿仁ゴンドラ)ー ホテル(泊)
8月6日(火) ホテル-(ホテルの車)-太平湖桟橋-(遊覧船)-小又峡桟橋-三段の滝-小又峡桟橋-(遊覧船)-太平湖桟橋-(ホテルの車)-阿仁前田-(ホテルの車)-阿仁根子-(ホテルの車)-棚田-(ホテルの車)-阿仁マタギ-(秋田縦貫鉄道)-角館-(秋田新幹線)

参加
男性)伊藤、高廣、吉村、森
女性)平林、重澤、大窪

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