秋田駒ケ岳(1,637m)登山

8月7日(日)~9日(火)

大窪 和子(3回生)


今年の夏山は例年の登山と違ってバラエティーに富んだものになりました。登山は少々軽めでしたが、その前後に魅力的なオプションがついたのです。元気会のメンバーも今や74歳と75歳、無理をせずに山を楽しむなかなか良い趣向だったと喜んでいます。それにしても、暑かった! まるで子供のころに帰ったようにかき氷をたくさん食べました。

第1日目 8月7日(日)

参加メンバー7人が顔を合わせたのは秋田新幹線田沢湖駅、時刻は13時丁度です。早速予約してあったレンターカー2台をゲット、宿泊する水沢温泉へはまだ時間が早すぎるということで、急遽、角館にいってみることにしました。クルマで小1時間、角館の入り組んだ道をさがしながら県の重要文化財となっている武家屋敷の並ぶ界隈へ到着。嘗てこの地方を治めていた芦名家、その後は佐竹家に仕えた中級武士の館でそれぞれに保存もよく、素朴だけれど味わいのあるどの家の庭にも大きな枝垂桜が天蓋を作っています。この桜は300年ほど前京都の醍醐寺(秀吉の花見で有名)から移し植えられたものだそうで、角館が東北の小京都と呼ばれ枝垂桜の名所ともなった所以でしょう。桜の季節にはさぞかし観光客で賑わうことだろうと思いつつ、真夏の緑深い角館を散策しました。

その後田沢湖畔へ。透明度の高い湖で近頃報道されたクニマス事件で一躍話題にもなりました。伝説の美女、竜子像はどういうわけか東南アジアの仏様みたいに金ぴかです。とりあえずご挨拶などして一同写真を撮りました。

田沢湖畔にて


水沢山荘への到着は4時過ぎ。創業はかなり古そうですが手入れの行き届いた清潔感のある宿で、水沢温泉の元湯ということです。白濁したお湯は程よい温度に保たれ、緑に囲まれた露天風呂はまこと心癒される雰囲気に満ちています。

この夜聞いた翌日の天気予報が何とも良くない。一日中曇りで午後には雷雨もあるなどというのです。がっかりしなながら、とりあえず出かけてみようということに・・・

第2日目  8月8日(月)

朝とお昼、2食分のお握りを貰って7時出発。そのころは薄い雲の間に青空も覗いています。レンタカーに分乗してマイカー規制地点の「アルパこまくさ」まで20分ほど。ここで朝食をとりながら、八合目登山口行きのバスを待つことしばし。

八合目へは30分弱で到着。久しぶり、準備運動にラジオ体操第一などやってから、登山道へ。緩やかな歩きよい道です。優美な起伏を見せる稜線には黄色いトウゲブキや紫色のハクサンシャジンが目につきます。

午前中お天気はOKと踏んで、暑いけれど快い道を片倉岳を巻いて男女岳(おなめだけ)直下の阿弥陀池を目指します。夏休みの真ん中なのに登山者も少ない静かな山域です。阿弥陀池はお皿に水を張ったような浅い沼に見えました。澄んだ水に流れる雲を映しています。池から秋田駒の山頂へは登り易そうな道がジグザクにつけられ登山者を招いているようです。秋田駒ケ岳(男女岳1637m)最高峰は、近くに乳頭山、少し離れた岩手山などが望まれる展望の良い山です。遠望はイマイチでしたが周辺の美しい緑の山々を堪能しました。

横岳の山頂を経て焼森岳へ。こんな緑深い山々の中にどうして?と思うような赤茶けてザレた山です。今登って来た横岳、男女岳を眼の前に、ここでお昼のお握りを。乾いた砂礫の好きなコマクサがひっそりと咲いていました。

八合目へ下ったときはまだ午後1時。稜線に霧が流れたこともありましたが、お天気、持ちましたねえ!

このまま宿に帰って温泉三昧では時間がもったいない、それではということで、このあたりの景勝地「抱返り渓谷」へ行ってみることにしました。秋田県の中心部を流れる雄物川の支流の見事な渓谷です。かつてこの渓谷で人とすれ違うとき、あまりに急峻で危険なためお互いに抱き合って振り返ったという言い伝えがあり、それがこの意味ありげな渓谷の名前になったようです。今は谷底よりかなり高い位置に遊歩道がつくられており、奇岩の間を縫って渦巻きながら流れる美しい渓谷を安全に眺めながら歩くことが出来ます。圧巻は渓谷の中ほどに懸かった回顧(みかえり)の滝でしょう。両側から張り出した木々の間を、大きな落差をもって流れ落ちる滝は、一瞬息を呑む雄大な美しさです。東北の耶馬溪ともいわれるこの川は東北電力が管理しているそうです。

帰途のクルマの中で土砂降りの雨に合い、雷鳴も轟きました。天気予報は時間が少しずれたけど当たっていたわけです。雨に濡れなかった私たち、まことにラッキーでした。

第3日目  8月9日(火)

翌日は乳頭山の麓に湧き出ている乳頭温泉郷を探索しました。空吹き(からふき)湿原という散策路があるというので、まず道標に従って分け入ってみましたが、季節が遅く水辺の花も終ったようだし藪の中で虫にも刺されるしで早々に退散して温泉を楽しむことに。

乳頭温泉には七つの湯場が点在しています。その中で最も古いといわれる「鶴の湯」に。

山の道をクルマで探しながら到着。古びた藁葺き屋根にヒメジオンやペンペン草がはえているといった鄙びた温泉です。ここでも内湯や外湯、いくつものお湯が設えてあるようでしたが、辛うじて2つのお湯に、虫よけのハエ叩きや団扇を振り回しながら入りました。なかなか出来ない経験をしたものです。乳白色のいいお湯でした。

食事処でお昼を食べ、さて帰路に。再び湖をノンビリと廻って田沢湖駅へ。2台のレンタカーがフル回転に活躍した山旅でした。駅前のお蕎麦屋さんに立ち寄り、ビールで打ち上げの乾杯! 3日間、楽しかった! 一人一人の仲間に感謝しつつ、田沢湖駅のホームで電車を待ちながらの解散となりました。

行程
7日(日) 田沢湖駅-(レンタカー)-田沢湖-(レンタカー)-水沢山荘(泊)
8日(月) 水沢山荘7:00-(レンタカー)-アルパこまくさ-(バス)-八合目-阿弥陀小屋-男女岳-阿弥陀小屋-横岳(昼食)-八合目-(バス)-アルパこまくさ-(レンタカー)-抱き返り渓谷-(レンタカー)-水沢山荘
9日(火) 水沢山荘-(レンタカー)-田沢湖高原-(散策)-田沢湖高原(乳頭温泉鶴の湯入浴と昼食)-(レンタカー)-15:00田沢湖駅

参加者
男性)伊藤・小泉・高廣・森・吉村
女性)重澤・大窪

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