10月12日(火)
大窪 和子 (3回生)
さしもの猛暑もようやく終りを迎えた10月、日光中禅寺湖の北側にある小高い山、高山への登山計画を立てました。当初は4日(月)を予定していたのが、一週間ほど前から天気予報をチェックしていたところ、その日の雨マークが一向に変化しません。天気の悪い中を歩くのはご免だけれどキャンセルになってしまうのも残念だということで、急遽、実行日の変更を会員各位に改めて通知しました。8名の参加が決まったときにはほっとしました。
新宿からの「日光1号」、浅草からの「けごん1号」をそれぞれ選択して東武日光駅の集合は9時半です。2台のタクシーに分乗して竜頭ノ滝上まで。天気は薄曇り。道中、ドライバーが「今日は竜頭ノ滝から戦場ヶ原あたりは晴れますよ」と自信ありげにいうのです。「あの辺は日光の町の天気が悪くても晴れています。北海道と同じで梅雨がありません。特有の気象環境なんですね」いろは坂から中禅寺湖畔に出るとまさにその通り、青空が広がり紅葉しかかった木々が日差しに耀いていました。町よりも山のほうが天気がいいなんて不思議・・・
久しぶりに見る竜頭ノ滝、豊かな水量で紅葉した樹木の間を滔々と流れています。なんとも豪快で美しい。竜頭ノ橋のたもとから山道へ。足元に笹が繁るゆるやかな落葉松林を抜け広葉樹の自然林の中をジグザグ登って行きます。歩けばカサコソと音を立てる乾いた落葉、しっとりと吸い付くような足に優しい山の土。歩きいい素敵な登山道です。稜線を登り始めると後方に男体山、右手に太郎山や戦場ヶ原、左手には中禅寺湖が木々の間にはっきりと見られます。
辺り一帯には石楠花の群生が見られました。今とりどりの色にみずみずしく紅葉し始めたこの山も、6月頃にはピンクの花々に彩られてまた違った風情が見られるのでしょう。ピークを一つ越え、その鞍部から暫く急坂を登ると高山の山頂です。
誰も居ない静かな山頂でお弁当を。一本一本の樹がそれぞれに得もいわれぬ美しい樹相を持っている林の中です。周囲の山や湖を見渡しながら、ほとんど風もない穏やかなひとときを楽しみました。
山頂を西に下る斜面にはヤシオツツジが多いと感じました。その季節にまた登りたいものです。岩が露出して少し足元に注意を要する急坂をジグザグにゆっくり下っていくと、熊窪分岐に出ます。左へ行けば中禅寺湖畔へ、右をとればまだまが続く樹林の中の散策路です。右の道をとり、車の通行が禁止された人気のない林道を小田代が原へ。自然研究路に合流し、戦場ヶ原の景観を楽しみながらシャクナゲ橋を経由して竜頭ノ滝へ戻りました。
登り始めてから自然研究路に至るまで誰にも会わない貸切りの山でした。これがあの観光客の溢れた日光の一角かしらと不思議に思うほどです。3連休の後の火曜日だったことも幸いしたのでしょう。帰路はまたタクシーに分乗して日光まで戻り、駅前のホテルで汗を流し、お蕎麦屋さんでメンバー8人乾杯を! お天気といい、秋の山の美しさといい、静けさといい、申し分のない恵まれた一日でした。
参加者 毛利、三ツ本、高広、伊藤、吉村、重澤、小林、大窪
行程 龍頭の滝上バス停-東鞍部-高山(昼食)-熊窪分岐-柳沢林道-小田代歩道入り口-湯滝分岐-戦場ヶ原展望台-しゃくなげ橋-龍頭の滝上バス停