立山・奥大日・雷鳥平

平成20年8月3日(日)~6日(水)



昨年の夏は東北の山に登ったので、今年はまた北アルプスに出かけたくなりました。そこで、あまりハードでなく登山ルートの選択肢が幾つかあるところと考え、立山三山、奥大日岳の登山基地である雷鳥平に宿泊して、天候を睨みながら山を目指す計画を立てました。

美女平から乗ったバスが室堂に近づくあたり、大日岳の向こうに名峰剱岳の雄姿が望まれ胸が踊りました。室堂のバスターミナルは夏休みの観光客や子供たちの夏季学校でごった返していますが、快晴の立山三山を仰ぎながらミクリが池を経て小一時間歩くと静かな雷鳥平に到着します。宿泊した雷鳥沢ヒュッテはの立山三山、剱岳への登路、雷鳥坂の直ぐ下に位置していました。このヒュッテはすぐ裏手に湧出する地獄谷の温泉をそのまま引き込んで24時間入浴が可能です。またトイレは水洗でびっくりするほど清潔です。恵まれた立地条件にあることも事実ですが、昔の山小屋泊りの印象からは程遠い居住性の良さに驚きました。そして目の前の立山三山、大日連峰が夕日に染まりながら暮れてゆく様子に久しぶりに見るスケールの大きな北アルプスを満喫し、感動しました。

初日の登山日は夜中から雨、朝になっても降り止みません。予定していた立山登山は諦めて雨が小降りになった昼過ぎ、近くを散策しようと雨具をつけてヒュッテを出ました。1時間ほどゆるく登って新室堂乗越に着くころには雨が上がり、ガスの中に周囲の景色がうっすらと見え始めました。ここで二手に分かれ、希望者3名が奥大日岳を目指すことになりました。

奥大日へはお花畑の中をひたすら登ります。雪渓あり、池塘あり、その際に咲いている花々、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、コイワカガミ、チングルマ、クルマユリなどが霧のなかに揺れています。花の山として名高いだけあって、高山植物の種類はまことに豊富です。同じ花なのに他の山で見るものより花が大きく美しいと感じました。また、ハクサンイチゲとシナノキンバイが混じらずに群生しているのも珍しい光景です。霧の山頂に14時到着。期待していた剱岳は見えません。下山するに従って晴れ間が広がり、雷鳥平の全容が見え始めました。雪渓の白、テント場の赤や黄、幾つかのヒュッテが鮮やかな真夏の緑の中に彩りを添えています。ヒュッテ帰着は予定通り16時少し前。その日合流した1名とヒュッテで出会いました。

翌日はよく晴れました。その日帰宅する3名と別れ、5名で立山を目指します。テント場の傍の称名川に架かる細い橋を渡り、雄山と浄土山の鞍部、一ノ越へと向かいます。この路もまたお花畑の中を行きます。青い空と緑の山々に囲まれた極楽浄土のようなお花畑の路です。

だんだん傾斜が急になり、一ノ越に近づくと、浄土山の中腹につけられた室堂からの雄山への登山路に登山者が陸続と列をなしているのが見られました。私たちが登った雷鳥沢からの路にはほとんど人影がありません。少し歩行時間は長いのですが。

一ノ越から雄山へは大小の岩石が累々と畳なわる尾根を行きます。傾斜も急でなかなかのアルバイト。室堂から手軽に登れるとあって登山者は引きも切らない有り様です。汗をかきながら登っていると、奥大日岳の山頂に涼しげな風雲のかかるのがみえました。頂上に近づくころにはまたガスが出て、剱岳は再び姿を隠してしまいました。立山三山縦走も視野に入れていましたが、メンバーの疲れ具合を考え、雄山神社にお参りをして下山することにしました。うち一名が大汝山を往復してきました。のんびりと花を楽しみながらの下りです。真っ白な大きいキヌガサソウが今開いたばかりの清楚な美しさで点々と咲いているのに出会い、感激しました。


6日、入山と同じルートで室堂からバス、ケーブルを乗り継いで富山に出ました。富山市内の路面電車で海に面した岩瀬浜へ。その昔、北前船で栄えた港町です。なんと飛び込みで高級料亭のお昼ご飯にありつきました。富山湾の魚介類、ことに豊富な白海老がなんとも美味でした。昔の面影を残す町並みを散策しながら、今年の夏山を打ち上げました。

行程 8月3日(日)東京-越後湯沢-富山-立山-美女平-室堂-雷鳥沢ヒュッテ(泊)
   8月4日(月)雷鳥沢ヒュッテ-新室堂乗越-奥大日岳(往復)-雷鳥沢ヒュッテ(泊)
   8月5日(火)雷鳥沢ヒュッテ-一の越-雄山-大汝山(往復)-雷鳥沢ヒュッテ(泊)
   8月6日 (月)雷鳥沢ヒュッテ-室堂-美女平-立山-富山-越後湯沢-東京

参加 伊藤 森 吉村 谷(弘) 高広 重澤 谷(孝) 大窪

大窪 和子(3回生)

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