090 教科書

昭和4年に賀茂高等女学校を卒業された佐々木(切田)静音がご使用になった教科書(「家事新教科書下巻」)です。ご家族から同窓会へ寄贈いただきました。昭和2年文部省検定済の教科書で、当時の高等女学校や師範学校の教科「家事」(現在の家庭科)で使用されていたようです。「看病」・「養老」・「育児」・「家事経済」・「家庭管理」・「結論」の計6章で構成されています。第6章「結論」第2節「善良なる家庭」4「女子の本文」には次のような表記があります。「女子は相当の年齢に達しなば、嫁して夫の家に入り、主婦としてよく家事を整理し、母としてよく子女を育て上げ、以て一家の向上発展をはかるべきは、自然の本文である。実に女子は妻たり母たることによって、その特有の使命を発揮することが出来る。されば幼少の時よりこれを心掛け、孜孜として学業にはげみ修養を怠らず以てその本分を完ふせんことを期すべきものである。」昭和2年というと1927年、今から100年近く前の女性の在り方・生き方で締めくくられていました。隔世の感があります。同窓会では、創立120周年(令和8年)に向けて、卒業生の在学当時の資料提供を受け付けております。詳しくは事務局までお問合せください。

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