212 龍王
本館4階の窓から北を眺めると、竜が横たわったような龍王山(547m)の稜線が見えます。小春日和の陽気に誘われて登ってきました。「チャッピー」に聞いてみると、「龍王」は仏教において仏法を守護する存在で、雨を司り人々を守る役割があるそうです。将棋の世界では最高位のタイトルは「竜王戦」で、賞金が最も高い大会だそうです。タイトル保持者はあの藤井聡太さんですね。ちなみに「龍」は旧字体で「竜」は新字体です。
イロハモミジをはじめ、登山道沿いの木々の紅葉はすでに終盤に差し掛かっています。敷き詰められた落ち葉に足を取られながらも、整備された階段状の登山道をスイスイと進み、管理棟から約35分で頂上へと到着しました。
頂上からは西条の街並み、西側には曽場ケ場山、中央部奥には野呂山、東側には校歌の歌詞に登場する白鳥山が望めます。眼下中央部には賀茂高校の校舎やグラウンドもよく見えます。西条盆地を守護する山という感じがします。
龍王は雨を司ると言いましたが、龍王山に降った雨は地中へと伏流し、中腹部附近(写真)から表出して半尾川の流れとなります。そして西条の中央部を南下して黒瀬川(賀茂高校の校歌では「西条川」と歌われます)と合流します。源流域の軟水は途中で溶けだしたカルシウムやマグネシウムによって中硬度の水に程よくかえられ、そのまろやかで深みのある美味しい水によって西条の名酒は生まれました。これも雨を司る龍王のおかげでしょうか。


