148 書く
以前、「かもNet」でご紹介した昭和33年卒の 鈴木 重子 さんから、手書きの大学ノート(A4版78ページ)が届きました。幕末の志士 坂本 龍馬 の生涯とその政治的背景について、参考文献を精読し、また、不明な用語等は辞書をめくって調べあげた内容がびっしり、そして整然かつ丁寧な手書きで記されています。鈴木さんは希望された方に、この手書きノートを贈呈し、内容も改訂・加筆をされているそうです。以前ご自宅へ伺ったときに「読んでいただけることが、書くことの励みになります」と話しておられました。
近年、教室内でもインターネットに接続されたタブレットやPCなどの情報端末を利活用した授業が一般化しています。旧来の「めくる」「読む」「探し出す」「比べる」「書きとる」といった思考作業も変化していることでしょう。たまたま先日、「手書き」と「認知機能」の関連性に関する研究を伝えるテレビ番組を観ましたが、私自身も「書くこと」より「打つこと」,「めくる」より「ググる」ことに時間を費やす生活の結果、漢字や人の名前が浮かばない日々です。せめて今話題の ChatGPT には依存したくないと思うのですが… 。鈴木さんを見習って「書く」作業を大切にしたいと思います。