099 追想
昭和22年に賀茂高等女学校を卒業された清老綾子さんのご自宅を訪問し、在学当時のお話を伺いました。昭和6年生まれの清老さんは昭和18年に東志和国民学校を卒業後、賀茂高等女学校へ進学。2年生クラスの前席には椎名美奈子(後の作家 大庭みな子)さんが座っており、「物理の授業中、教科書の内側に芥川龍之介の小説を挟んで読んでいる姿をドキドキしながら見てました」と愉快な思い出を話していただきました。また、2年生の後半からは勤労動員が通年化し、陸軍被服支廠の工場となった教室内でミシンを使い軍服を縫った辛い日々についても語っていただきました。昭和20年の8月6日は通学途中の八本松駅で閃光を感じ、キノコ雲も見たそうです。その後17日から被爆者救援隊の第一陣として段原の第一国民学校で救護活動にあたられました。「あのような悲惨なことは二度とあってはなりません」と脳裏に深く刻まれた事実をもとに伝えていただきました。