No.013

本校の前身である賀茂高等女学校に在籍し、昭和43年に「三匹の蟹」で第59回芥川賞を受賞した大庭みな子は、原爆投下後の8月末、広島市内へ救援活動に入ります。その際に目の当たりにした強烈な印象を、エッセイや小説に残しています。エッセイ「地獄の配膳」は次の一説で締め括られます。「十四歳の夏、わたしはものを言わなくなった。そしてこの夏の記憶はわたしの生涯を大きく変えた。歩き始めると、甦るこの記憶はわたしを立ち止まらせ、人間というものを考え直させる人骨の杭となった。」

校長eyes

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