101 遺産

先日、広島大学医学部医学資料館の企画展(「赤レンガの医学資料館~陸軍兵器補給廠だった医学資料館で見る広島とヒロシマの医学史~」)に行ってきました。レンガ造りの館内には近世以降の医学書や広島の医学史など、貴重な資料が展示してあります。タイトルにあるように、現在の霞キャンパスや大学病院は陸軍兵器補給廠の跡地に建てられています。原爆投下後、比治山によって倒壊を免れた工場内には多数の原爆被災者が収容されたそうです。この場所から数百m北にあった第一国民学校(後の段原中学校)と数百m南にあった大河国民学校(後の大河小学校)も臨時救護所となりましたが、両施設では8月17日以降、賀茂高等女学校生徒による献身的な救護・救援活動が行われました。人命を奪うための兵器供給工場が、現在は人命を救う医療施設や医療従事者を養成する大学となっています。

 

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