主な研究テーマ

新生児から思春期までの子どもを対象とした幅広い研究を行っています。家族・地域社会の有する課題や、専門職者の能力開発にも取り組んでいます。

教授 丸 光惠  研究者情報  科学研究費獲得状況 

①10代の慢性疾患患者・移行期医療に関する研究 思春期看護研究会 

 私が最も長く取り組んできたのが10代の慢性疾患患者の看護です。日本思春期学会の学術小委員会でも思春期に携わるすべての職種を対象としたガイドを発刊しています。2023年度からは対象者を慢性疾患から慢性状態に広げ、特別なヘルスケアニーズを持つ若者の思春期保健検討委員会を立ち上げ、委員長を務めています。23年度には11職種が集まる思春期学会学会員への実態調査を計画しています。 

②思春期・若年成人期発症のがん患者・サバイバーに関する研究
 2023年度からは小児がんサバイバーの移行期をテーマに厚生労働科研(主任研究者 清水千佳子先生)に参画しています。成人期となった小児がんサバイバーの移行評価研究に取り組んでいます。国立がん研究センターHPの情報サイトにオリジナル原稿を執筆しています。 AYA世代がん情報サイト「将来の事が心配になったら」

③看護教育のグローバル化に関する研究

 看護学生を対象として、海外研修準備や国際看護の講義で使用できる専門職英会話の教科書を作成しています。この他、医療と宗教の問題にも取り組んでいます。

 看護専門職英語 I・II  看護専門職英語 III  看護専門職英語 IV

④小児期発症の慢性疾患患者の養育者・養育ストレスに関する研究  育児ストレスIndex 
 育児ストレスインデックスは子どもと親の側面に分かれ、さらにそれぞれが複数の項目で構成されています。Short Form(短縮版)も開発され、虐待予防などを目的にした地域保健活動に役立てられています。元々は米国で開発された日本版インデックスは1990年代に開発してから30年になろうとしており様々な見直しが必要となっていますが、数多くの国際比較研究でも使用されています。

 

准教授 三宅一代 研究者情報 科研費獲得状況

①子どもの災害看護に関する研究

当学が兵庫県立看護大学であった時代から現在まで災害看護は、ウリ・オシであります。私は、その時に初めて災害看護に関する研究に着手し、現在も継続して取り組んでいる研究です。研究の成果物である『小児病棟用ケアパッケージ』は、今もさまざまに形を変えながらも防災減災に役立ててくださっています。また、子どもを対象とした災害看護の中でも、地域社会で暮らす、重度障がい児・医療的ケア児と家族、その支援者を対象とした災害看護研究を継続しています。

 

➁がんのある子どもへの代替補完療法に関する研究

私が小児看護を専門にと決めたのは、『小児がんの終末期看護』、『子どもの死』に関心があり、修士課程に挑んだことにあります。当学の小児看護学講座は痛みに関する研究を継続的に行っており、私は『小児がん性疼痛における非薬理学的援助方法の開発』に関する研究活動に加わったことをきっかけに、中医学・マッサージ・タッチケア・アロマセラピーと代替補完療法に関する知識や技術を身につけ、研究を行ってきました。しかし、近年新型コロナウイルス感染拡大から5類感染症に移行したとはいえ、ひとがひとに触れることが難しい状況が続いているのではないでしょうか。これからは、触れることが大事、特にがんのある子どもと家族には入院中、外来での治療継続中においても、効果的なタッチケアが促進できるような研究を開始したいです。