令和2年年頭、会長挨拶更新による前挨拶の移転

銚子高校同窓会会長伊勢﨑翼の写真   同窓会会員の皆様には、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。日頃より同窓会活動にご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

   先日、私は8月6日の広島平和記念式典のテレビ中継を見て、約30年前に読んだ日本画家 平山郁夫さんの『敦煌歴史の旅』の一節を思い出しました。「B29から黒い物体を吊す白い落下傘が青空に浮かんでいるのです。学徒動員の仲間に伝えるため小屋に入った途端、「バシッ!」とあたりが白く輝き、目がくらみました。極限の光の色は、白という表現ではあらわしきれない凄さです。小屋の板の張り目から強烈な熱気を伴った大閃光が飛び込んできました」と。私には、自分が体験したかのような原爆の炸裂音が、耳朶に残ります。

   また、皆様もご存じのように、先の大戦では310万人もの命が失われました。日本はこの惨禍を重く受け止め、戦後74年に亘って平和国家としての道を歩んできました。令和の時代に入っても世界平和をいかに築いていくか、日本は先頭を切って歩みを進めていくものと思います。

   さて、7月21日に、同窓会総会が、日曜日の午後にも拘わらず、約100名からのご出席を頂き、銚子市長 越川信一様、銚子市立銚子高校校長 伊藤政利様をご来賓としてお迎えし、開催されました。私からは、同窓会入会式(卒業式前日の開催、各クラス2名を代表幹事に委嘱する重要な行事)の様子、学校評価のアンケート結果より、本校の生徒・保護者ともに市立銚子高校の教育に納得して卒業していく、ということを報告しました。

   総会に先立ち記念講演会が開かれ、「日本を映し出すデンマークという鏡」と題して、講師の東京支部同窓会会長の佐野利男様からお話を伺いました。佐野様は、在デンマーク特命全権大使、国連軍縮会議日本政府代表などを歴任され、現在は内閣府原子力委員会委員をお務めです。講演の概要は、①デンマークの歴史、教育、医療、②デンマークの生活、充実した労働政策・制度、③デンマークの高齢者福祉の特徴でした。

   デンマークでは、日本の中学2年にあたる学年まで学科テストがなく、学科より「自分の長所探し」を重視します。それが将来的に、「自己を肯定的に捉える」教育につながるということです。デンマークの労働政策では、多くの職業に資格制度を採用し、教育及び訓練を重視します。さらに、一般的な退職年齢が規定されず、ほぼ67歳まで就労することができます。本人の意志次第ということです。講演内容の詳細は、地方紙(大衆日報)に、三日間に亘り連載され、是非、また続きをお話し願いたいと、大変な好評を博しました。

   最後になりましたが、会員の皆様には、これまでのご協力とご支援に感謝申し上げますとともに、皆様のご多幸とご活躍を祈念申し上げます。

                                                                                              同窓会会長 伊勢﨑 翼