27回生 杉山 誠 様

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第48回目は杉山誠様にお願い致しました✨
杉山 誠さん 27回生(昭和51年卒業)
普通科 卓球部
【🌸卒業後の略歴🌸】
岐阜大学農学部獣医学科卒業
同大学院修士修了
農水省入省
岐阜大学農学部助手
オックスフォード大学研究員
岐阜大学・連合獣医学研究科教授
同大・応用生物科学部教授
応用生物科学部長
東海国立大学機構理事・岐阜大学副学長を経て定年退職
現在、岐阜大学副学長(特任教授、名誉教授)
【🌸桜台高校での思い出🌸】
卓球部に所属、1年生の仲間で遊んだ夏の岐阜・馬瀬川、弱い癖に口だけ達者、それなりに一生懸命、部室で飼った鳩といった記憶のなかで、卓球場があった体育館1階、何か不思議な匂いがしたのを妙に覚えています。
戦争体験者が戦場の臭いが記憶に焼き付くと語っていました。嗅覚というのは記憶に大きな役割を果たしているようです。IT教育が進むなか、バーチャルではない実体験の大切さを感じます。
高校生活では、徹夜麻雀、岐阜・根尾谷での2年クラスキャンプ、喫茶店や劇の文化祭、花形リレー決勝・アンカーでドベとなった体育祭、中国地方への修学旅行、まさに青春謳歌、いろいろな人と話したり、喧嘩したり、議論したり、楽しくもほろ苦い数々の思い出が蘇ってきます。当時、言われていた「桜台温泉」にドップリ浸かっていました。そのため、見事に受験失敗、浪人となりました。
多感な時期に桜台高校の多様性のある集団で揉まれながら、成功、失敗、挫折、笑い、怒り等々経験したことが、のちに大きな力になった気がします。また、楽しい思い出のなかに、第二の故郷「岐阜」が度々登場します。
【🌸後輩の皆さんへメッセージ🌸】
専門であるウイルス性人獣共通感染症の分野では、まさに変革期、分子生物学の著しい進展により、流行に乗り遅れないよう最先端技術を意識しながら研究を進めてきました。
変化が激しい時は、どうしても変化に目を奪われ、視野が狭くなります。目標を見失い最先端技術に翻弄された仲間を多くみてきました。
また、名古屋で初めての学校群制度での高校入試、最後の一期校・二期校入試(一浪したため)、獣医学教育4年制最後の獣医師、国立大学初めての1法人(東海国立大学機構)複数大学(岐阜大学・名古屋大学)設置等、振り返ってみると、数々の制度変革に遭遇し、ときに時代に翻弄され、ときに新しい制度にぶつかりながら、時が過ぎた気がします。
このような変革期には、変化を的確に掴みながらも、常に原点に戻り、本来の目標・目的を見失わないようにすることが大切だと思います。
最後に、私たちの世代の何が幸せだったかをお伝えします。戦争を経験することがなかったことです。沖縄のひめゆり平和記念館を訪れた際、「ひめゆり学徒の証言」に釘付けになりました。悲惨になっていく様はもちろんのこと、最初、遠足気分で出かけたという証言が強く印象に残っています。その日が来るまで分からない、その日がきた時はもう遅いということです。
還暦を過ぎたときくらいでしょうか、「幸せ」とは「不幸でないこと」ではないかと考えるようになりました。「幸せ」は「不幸」にならないと分からないかもしれません。幸福度ランキングで日本は低い国とされています。不幸度調査をしてはどうでしょう。日本は「不幸でない」とても「幸せ」な国との結果になるのでは、青い鳥が近くにいたように。
近づきつつあるかもしれない不幸を察知するためにも、神経を研ぎ澄まし、平和を希求するとともに不幸の歴史をしっかり学んでください。そして、人間は話し合いで問題を解決できる唯一の動物であることを忘れないでください。
(編集者より)
杉山さんの仰る「幸せ」とは❓のお話、とても大切なことだと思いました。
SNSの利用が当たり前になり他人の特別な出来事に触れる機会が増え、幸せ=特別なこと、というようにハードルが上がったように私も感じています。
若い世代ほど戦争に対する感覚も鈍くなっていると思うので、杉山さんのメッセージを改めてじっくり考えたいと思いました😌
インタビューにご協力いただきありがとうございました❣️