Sr.三好より

 緊急事態宣言が解除になり、市民の生活が活気づいてきたとはいえ、まだまだ予断を許さない、何となく不自由さをぬぐえない昨今です。皆様お元気でお過ごしでしょうか。
 皆様の中には、「気候危機」という言葉をお聞きになっておられる方もあると思います。 二酸化炭素による地球表面の温度上昇。それによって
 〇 気候が変わった
 〇 2050年までに二酸化炭素排出をゼロにしなければ、北極の氷は溶 け、海面が上昇する
 〇 サンゴはなくなる。 食料不足、水不足、海の生態系に変化が起こる、洪水、台風、熱波といった自然現象が人間の生活というより命をおびやかすような事態が来る
 〇 地球温暖化は現在の進行速度で増加し続けると、2030年から50年間に、1.5度高くなる可能性が高い

 かなり確信度の高いデータのもとで説明された話を聞き、あまりにも関心度の低かった自分に気づかされました。こういった現象に対して、日本の国は外国に比べあまりにも意識が低く無関心で、自国の経済を優先し、現に迫ってきている現実に目を閉じているという事も考えさせられました。
 カトリック教会では、現教皇フランシスコが以前出された『回勅 ラウダ―ト・シ(私の主よ、あなたは讃えられますように)-共に暮らす家を大切に-』の一節を思い出しました。

 『私たちは自らが土の塵であることを忘れてしまっています(創世記2・7参照)。私たちの身体そのものが、地球の諸元素から出来ています。私たちは地球の大気を吸収し、地球の水によって生かされ元気をもらっているのです。』
 『人は自分だけで成り立っている自由な存在ではない。人は自分だけで自分にはなりえない。人は精神であり、意志であると同時に自然でもある。』
 さらに教皇フランシスコは私たちに語られます。『人生の中で与えられる可能性に感謝するために、自分が所有するものへの執着を捨てるために、ないことを哀しみくじけることがないように、小さなことに立ち止まって、それを味わえるようにしてくれるあの素朴さへと立ち返るということです。』
 私はこの教皇様の本を読み返し、神様が人間のために作られた美しい自然、母なる大地こそが人間の命を支えているかけがえのない命の基礎になっていることを深く考えさせられました。大きなことは出来ないにしても、これからはその意識にさらに目覚め、生きるために与えられている水をさらに大切に使い、節電に気を付けることから始めようと自らに言い聞かせました。

 本当に他人事ではないこの危機を皆様も意識し、共に母なる大地を大切にしたいものです。これは「私」という個人の問題ではなく、この地球に住む、それも国を追い出され苦境にあえぐ人々、貧しい人々との兄弟姉妹としての連携という地球規模の問題であることを、御互い意識し、深く考え実行していかなければならない重要な問題ではないかと思っています。

             2021年11月 愛徳カルメル会 三好紘子

投稿日: 2021年11月29日
PAGE TOP